イギリス駐在妻が精神を病む理由と孤独・不安を防ぐ10の対策|現地生活でメンタルを守る方法

はじめに

イギリス駐在というと、「華やかで憧れ」というイメージを抱かれやすいですが、実際の現地生活では、夫(駐在員)は会社でのミッションに集中し、一方で妻は急激な環境変化に対応しながら「孤独・不安・無力感」という見えない重荷を抱えることがあります。
特に現地でのサポートが十分に得られない場合、「精神を病む(メンタルヘルスを崩す)」駐在妻の話は、決して珍しいことではありません。

このブログでは、私自身の体験や取材内容から見えてきた「精神的に追い込まれる駐在妻の実態」を整理しつつ、「そうならないための具体的な対策」をご紹介します。最後に、「気軽に相談してくださいね」という想いを込めて、メール相談のご案内も付けています。


1章:イギリス駐在で直面する“見えない壁”

1-1. 環境のギャップが招く孤独

日本と比べて、イギリスの日常生活にはいくつものギャップがあります。

  • 言語の違い:スーパーでの会話、病院や自治体とのやり取り、子どものスクール関係。
  • 文化や習慣の違い:挨拶、食文化、時間感覚、ドアが閉まる前に「sorry?」と声をかけられる日々。
  • 支援体制の薄さ:日本人同士の繋がりも、初めはゼロ。誰かに相談したくても連絡先もわからず。

夫は日中は仕事、夜も現地関係者との会食や残業。結果、「一人で頑張っているのは私だけ?」という孤独感に苛まれるケースが多く見られます。

1-2.役割の変化による喪失感

日本では働いていたけれど、駐在帯同という選択から、現地では専業主婦となるケースもあります。
それに伴う「自分が必要とされていたあの感覚」が、ふいに曖昧になり、自信を喪失することも。

加えて、子育て・家事・書類手続きに追われ、「私って誰? ここにいる意味は?」という思いが、じわじわと胸を締めつけます。

1-3. 日常のプレッシャーと“見えにくさ”

駐在妻のメンタル不調は、表面には表れにくいもの。

  • 「大丈夫?」と聞かれて「大丈夫」と答ってしまう。
  • SNSには笑顔の子どもとの写真を載せる。
  • 外からは「素敵な生活」に見える。

だから「周囲に言いづらい」、そして「自分でも気づかないうちに追い詰められている」ことがあるのです。


2章:精神を病む前に知っておきたい“リアルな声”

2-1. 実際の体験談から

  • Aさん(30代・帯同2年目):「最初の半年は生活の“ぎこちなさ”にずっと頭が痛かったです。子どもの幼稚園とは全然違って、仲間を作るのにエネルギーが必要で、『私はここに馴染めない』って思ってました」
  • Bさん(40代・帯同4年目):「日本では働いてたから、こっちに来て“ただの専業主婦”になった自分にショックでした。1日が終わると、“何してたんだろ?”って後悔ばかり。」
  • Cさん(30代・帰国後):「気づけば涙が止まらない日が続いて、夜、どうやって眠りについたかも記憶が曖昧でした。夫にも言えなかったし…結局ロンドンのメンタルヘルスクリニックで治療を受けました。」

2-2. 症状と兆候

具体的な症状としては、

  • 常にイライラしてしまう
  • 朝起きるのがつらく、動けない
  • 無気力になり、家事や育児に手が回らない
  • 人と会うことが億劫になり、外出が減る
  • お酒や甘いものを過度に摂取してしまう
  • 夜中に何度も目が覚め、朝は疲労が抜けない
  • 「自分はダメな人間だ」「ここには戻りたい」と強く思う

こうした症状が見られる場合は、「もう限界に近い」サインです。一人で抱え込まず、ぜひ早めに対処しましょう。


3章:精神を守るための“具体的な対策”

3-1. つながりの再構築

  • 日本人コミュニティや交流会に参加:現地在住の日本人ママの会や、週末の公園ピクニックなど。最初の一歩は勇気が要りますが、「一緒にいるだけ」で心が安らぐ人が見つかることも多いです。
  • オンラインで日本と繋がる:Zoomで友人と話す時間を定期的に設けるだけでも、自分が“つながっている”安心感が生まれます。
  • 夫との会話の時間をつくる:夫は家計や仕事、ミーティングに追われがちですが、「今日どんなことがつらかった?」と率直に共有する時間はメンタルケアに有効です。

3-2.ルーティンを構築する

  • 毎日のスケジュールをつくる:例えば、朝の散歩、午後のカフェ、自宅で趣味の時間。生活には「予定」があると、知らず知らずに心が安定しやすいものです。
  • 自己肯定感を高める習慣:日記や1日1肯定(嬉しかったことを書き留める)、瞑想やヨガなどを取り入れると、自分を大切にする習慣が育まれます。

3-3.専門家に頼る選択

  • 現地・日本語で相談できるメンタルヘルス機関
    • ロンドンには日本語対応のクリニックがあり、日本語カウンセリングも可能です。
    • NHS(国民保健サービス)のメンタルヘルス支援にもアクセスできますが、英語でのやりとりが必要な場合があります。
    • またオンライン英語カウンセラーや、日本でのオンラインカウンセリング(Zoom等)を利用する方法もあります。

「まだ大丈夫」と思っていても、心が疲れているときには早めに専門家に相談するのが何よりの対策です。

3-4.“自分らしさ”を取り戻す活動

  • 趣味や自分の時間を定期的に設ける:日本から習慣だった習い事をオンラインで継続したり、ロンドン現地で新しい趣味(ガーデニング、絵画、フィットネス)に挑戦するのも◎。
  • 自分へのご褒美・セルフケア:お気に入りの紅茶を買ってみる、おいしいスイーツを探しに行く、バスタイムを贅沢に楽しむ。日々の小さな喜びが心を豊かにしてくれます。

3-5.夫婦でルールを約束する

  • メンタルチェックイン習慣:「週に一度、30分だけお互いの“心の状態”を話す時間」を設ける。仕事で忙しくても、カレンダーに入れておくと、二人の心をつなぎとめる時間になります。
  • 共通の“お楽しみ”を予定に組み込む:週末散歩や、月に一度の映画鑑賞、誰かに預けられれば夫婦だけでロンドン旅行など、「二人で息抜き」を意識的に取り入れると、支え合いのモチベーションが湧きます。

4章:「もし限界を感じたら…どうしたらいい?」

4-1. 限界サインの早期発見

  • 朝、寝床から出られなくなる
  • 「私がいなくなったほうがいいのかも」と思ってしまう
  • 物忘れが極端に増える
  • いつも散歩していた道に出るのも億劫になる

こうしたサインが出たら、迷わず次のステップを検討してください。

4-2. 初めの一歩:信頼できる誰かに話す

「身近な誰かに話す」のは簡単ではないかもしれませんが、どんなに小さな一歩でも大きな転機になります。

  • 日本にいる友人や家族に、メールやLINEで思いを打ち明ける
  • 駐在妻仲間に、「なんか最近キツいんだよね…」と素直に話すだけでも、嬉しい反応が返ってくることがあります。

4-3. 次のステップ:専門家に相談する

  • オンラインカウンセリング:日本語で受けられ、家にいながら安心して話せます。
  • ロンドン現地のクリニック:英語での対応が不安な場合、日本語相談のあるところを探してみましょう。
  • NHS利用:民間より時間がかかる可能性もありますが、費用面では安価です。

4-4. どうやって夫に相談するか?

  • 「いつ話せる?」とリクエストして、時間を作ってもらう
  • 冷静なトーンで「ちょっと助けてほしいことがある」と切り出す
  • 書いた文章にして送ってもらう:メールやLINEで気持ちを伝えるのも効果的です

5章:まとめとメッセージ

駐在妻としての位置づけは、環境とともに急激に変わります。そんな中、「精神を病む」という状況になることは、”弱いからでは“なく、「誰にでも起こり得るリアルなこと」です。
そのためには、孤独を放置しない、自分をいたわる習慣を持つ、そして早めに手をつなぐ。でも、苦しいときに「助けて」と言える自分であることが、最も大切です。


おまけ:メールで気軽に相談ください

もし、「ちょっと話を聞いてほしい」「自分が今どういう状態か分からなくなった」などありましたら、いつでもメールで気軽に相談してくださいね。

📧相談専用メールアドレスinfo@eikoku-seikatsu.com
※伝えてほしい言葉があるだけでも構いません。「今つらい」「誰かと話したい」など、一言でもOKです。

ひとりで抱え込まず、安心できる一歩を一緒に見つけていけたらうれしいです。


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それでは、健康と心の安寧をお祈りしています。

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