賃貸物件の退去時にトラブルになる確率は?

ロンドンで賃貸物件を契約したとき、一番問題が起きるのは退去時というか退去したあとです。
ロンドンの賃貸物件の家主は、皆がそうではないですが、とてもお金にシビアな人が多く、少しでも自分の出費を減らして物件をきれいにしようと考えています。
だから、テナントさんが退去したあとに、家主が小さなキズに対しても数百ポンドの請求をしたりするのです。
ちなみにテナントというのは、賃借人のことです。

デポジットプロテクション制度が施工されたが、トラブルは減らず

デポジットプロテクションとは、2007年4月に政府が義務化した第三機関がテナントさんの敷金を入居から退去までの間預かる制度のことです。
もし、退去時に家主が不正な請求をし、それに対しテナントさんが不服を申し立てた場合にこの機関が中立の立場で公平な判断を下す小ことになります。
ですので、もし、家主が不正な請求をしてきていると納得がいかない場合は遠慮せず文句をいってください。
文句を言う相手というのは、家主ではなく担当の不動産会社に対してです。
何も言わなければ、お金を取られるだけです。

昔はデポジットプロテクション制度がなかったせいで、一銭も返ってこなかった

昔は、家主は自分自身でデポジットを預かり、退去時に虫眼鏡で観なければいけないくらい小さな傷に対しても、弁償金をテナントにクレームし、デポジットを一銭も返さなかった大家がほとんどでした。

それでも不正請求は今でもある

それでも、ロンドンでは退去時に法外な金額の請求をテナントにしてくる大家さんが数多く存在します。
私の知っている一番酷いケースは、ロンドン北部のエリアで数年前にとある物件に住んでいた日本のテナントさんが、退去時に寝室の壁の一部(窓際)にカビが発生していて、それに対して大家が5,000ポンドの請求をテナントさんにしてきたのです。カビの発生部分は、たった一部屋で、しかも一部の壁だけ。
そもそも、普通に暮らしていて壁にカビが発生することはありません。
家主は、換気をしっかりしていなかったテナントさんの責任だと言っていましたが、寝室の壁にカビが生えるというのは、建物の構造上の欠陥で、住んでいる人には防ぎようがありません。

カビは誰の責任?

浴室の天井にカビが生えたりするのは、テナントさんが換気を怠っていた可能性はありますが、寝室の壁にカビが生えるのは、テナントさんに一切の責任はありません。
壁にカビが生えるのは、壁自体に問題があり、最近分かったのことなのですが、イギリスでは外壁と内壁の間に断熱材を使用していない家やフラットが多く、寒くなる冬の時期に壁に発生する結露がカビの大きな原因だと言われています。
つまり、壁に発生するカビは、住んでいる人の責任ではなく、建物の構造上の欠陥なのです。
とはいえ、これを読んでいるあなたは既に欠陥住宅に住んでいるかと思います。

今からでもデポジットをとられないためにできること

窓ガラスの結露がひどかったり部家のすみにカビのようなものを発見したら、すぐに家主にメール等で報告してください。
もし不動産会社の管理物件に住んでいるのなら、担当の不動産会社にメールで報告してください。
それで退去時に家主がクレームしてきたら、壁に結露が発生しているので、一度壁を調べてほしいと以前からお願いしていたはずだと言い逃れできるはずです。
ロンドンには通気性がわるくカビが生えやすい家が沢山存在します。
物件探しの際に、カビが生えてペンキを乗りなおしたあとがないか、しっかりチェックしておきましょう。

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