イギリスで物件を借りようとすると、日本の常識を遥かに超えたカオスな状況に直面することになる。そう、内見だ。日本では、「内見=空き家でしっかり確認できるもの」という常識があるかもしれないが、イギリスではそんな幻想は一瞬で吹き飛ぶ。 なぜなら、 基本的に内見は「今住んでいる人がまだ生活している状態」で行われる のがデフォルトだからである。どういうことかというと、現入居者のプライバシーや快適な生活などという概念は、大家の利益の前では無に等しい。家主としては、できる限り空室期間を作りたくないので、退去前に次の入居者を決めてしまうのが当たり前なのだ。 修繕?何それおいしいの? さらに驚くべきは、 修繕が「新しい入居者が入った後」にしか行われない というトンデモ運用。いやいや、普通は退去後に点検して、問題があれば修繕してから新しい人を迎え入れるのでは……?と思うかもしれないが、そんな甘っちょろい考えはイギリスの不動産業界には通用しない。 例えば、 壁に大穴が開いていようが、カーペットに謎の赤黒い染みがついていようが、ドアが絶妙な角度で外れかけていようが、そのまま引き渡される。問題があれば? 新しい入居者が文句を言った後で考えればいい という、全力で未来に投げっぱなしなスタンスである。 土足文化、ここに極まれり さて、内見が現入居者の生活圏に侵入して行われるということは…… 当然、見学者たちは現入居者の家の中に、遠慮なく土足でずかずかと上がり込んでくる ことになる。 これはもはや、 不動産版の「押し入り強盗」では? と思わざるを得ない。 あなたがリラックスしてソファでコーヒーを飲んでいると、見知らぬ人々が次々と玄関から入ってきて、ベッドルームを覗き、バスルームのシャワーを点検し、「うーん、キッチンの収納が少ないですね」などと勝手なレビューを始める。そう、 そこはまだあなたの家なのに。 しかも、彼らは皆当然のように土足。何なら雨の日の泥だらけの靴のまま、「あら、床がちょっと汚いですね」などとコメントする始末。「お前が今汚してるんだが?」と言いたくなるが、そんなことを言っても「Oh, sorry!」と軽く笑われるだけである。 大家「オッケー、次行こうか!」 ここで、 もしあなたが「ちょっと待って、これっておかしくない?」と声を上げたとしても、大家の返答はだいたいこうである。 👉 「みんなこうしてるから。」 👉 「いや、大丈夫大丈夫、すぐ終わるから。」 👉 「次の入居者が決まるまでの辛抱だよ!」 ……何一つ納得できる回答がない。 「これがイギリス流なのだから、受け入れるしかない」という、圧倒的な諦観を求められるのがこの国の賃貸事情なのである。 究極の選択:「土足で人が入ってくる生活」vs「なかなか退去させてもらえない恐怖」 では、いよいよあなたが退去しようと決意したとしよう。やっとこの土足で踏み荒らされる生活から解放される!と思うかもしれないが…… 甘い。甘すぎる。 ここで待ち構えているのは 「なかなか退去させてもらえない問題」 である。イギリスでは、 退去の1〜2ヶ月前に通知するのが普通 なのだが、これが意外とスムーズにいかない。 家主としては、「どうせなら、次の入居者が決まるまで住んでおいてほしい」と思っているので、なかなか最終確定の許可を出してくれなかったり、無駄にダラダラと手続きが進んだりすることがある。最悪の場合、「まだ次が決まってないから、もう少し住んでくれない?」という、恐るべき ズルズル引き延ばし戦略 を食らう可能性すらある。 つまり、イギリスでは「入居も地獄、退去も地獄」。 まとめ:イギリスでの内見は「日常に突如侵入してくる未知の体験」 さて、ここまでの話をまとめよう。 ✅ イギリスの内見は現入居者がいるまま実施される → つまり、プライバシーなどない。 ✅ 修繕は新しい入居者が入った後に行われる → …
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現地不動産会社に無視されず内見の予約を勝ち取る方法
最近、英国の現地不動産会社からまったく相手にされないといった相談メールが急増しています。恐らく、問合せの方法に問題があるのではないでしょうか。
現地不動産会社を通して賃貸契約するときの注意点
以前にも投稿させていただきました内容で重複する点も多いかと思いますが、最近あまりにも現地不動産会社を通しての賃貸契約に関するトラブルの相談が増えてきましたというのもあって再度、現地不動産会社を通しての賃貸契約するときの注意点について解説します。 なぜ、現地不動産会社との契約が増えてきたのか? まず、本題に入る前になぜ現地不動産会社を通しての賃貸契約が増えてきたのかという疑問にお答えします。理由はいろいろありますが、ざっくり言いますと下のものになります。 日本人の英語力があがり、現地不動産会社でも契約が簡単にできるようになった 日本人がたくさん住むエリアに住みたくないひとが増えた 会社に歩いて通えるエリアに日系不動産会社がない 上の3つの理由ですが、実はすべて関連しているのです。日本人の英語力があがり、日系の不動産会社に頼る必要性がなくなったので、現地不動産会社を通しての契約が増えたということです。3つめの会社への徒歩圏内といいますと、日系企業の多くがロンドンの都心部に集中していますが、都心部に日系不動産会社はありません。昔は都心部は治安が悪いとか、ゴミゴミしていて環境悪いなどの悪条件が揃っていましたが、今は治安もよくなり、車の排気ガスに関してはウルトラ・ロウ・エミッション(超低排出)規制がはじまり、都心部は排気ガスをたくさん放出する車に対して通行料が課金されるようになり、環境もかなり良くなっています。そもそも日本人の若いひとにとって郊外に暮らすメリットってほとんどありませんからね。都心に住む日本人が増えるのは当たり前と言えばそうですよね。 賃貸契約の際は、契約書をしっかり読もう さて、本題に入りますが、まず現地不動産会社を通して賃貸契約をする際に、必ずチェックしなければいけない項目があります。契約書はだいたい10~15ページぐらいのものになりますが、そんな難しいことは書いていません。テナント(借主)の義務、ランドロード(貸主)の義務、一般的な決まり、特別事項の4つの構成になっています。なかでも注意しないといけないのは、テナントの義務(TENANT’S OBLIGATION)です。テナントの義務というのは基本的に期日通り家賃を支払うということと物件をきれいに使用するということです。 物件をきれいに使用する義務とは 物件をきれいに使用するというのは、ランドロードが定期的に物件にきてチェックするので毎日きれいに掃除しなくてはいけないということではありません。住んでいるときどんなに散らかしたり汚したりしてもいいけど、退去して物件を返却する際には入居時と同じ状態に戻せということです。そのままの内容のことがテナントの義務に記載されていますが、物件をきれいに使用するというのはどういうことなのかという細かい内容も記載されています。例えば、壁に画びょうやクギを打ってはいけないという項目は必ず入っていますが、住む家に写真や絵を壁に掛けたいですよね。その場合、契約書にサインする前にランドロードに許可をもらうようにして、それを特別事項として記載してもらいましょう。物件をきれいに使用するという義務の中に、庭の手入れももちろん含まれています。日本でもやったことのない庭の手入れを英国でするなんて正直無理ですよね。でも、賃貸契約書には100%含まれています。では庭の手入れを怠った場合はどうなるのでしょうか。隣のひとから庭の手入れをするように注意されたり、退去時に法外な金額をランドロードから請求されたりします。庭の手入れに自信がないかたは、ガーデナーを雇いましょう。一回呼ぶごとに30~40ポンドほどとられますが、庭がきれいになり隣のひとから嫌味を言われることもなくなり平和に暮らせます。 退去通知の方法 退去通知のほうほうでもめるケースが意外とあります。退去通知というのは、物件を出ますとランドロードに通知することです。例えば、今より条件のいい物件が見つかったので引っ越したいとなったとき、今住んでいる物件のランドロードに退去したいと通知しなければいけません。通常は1カ月前通知、2カ月前通知、場合によっては3カ月前通知と記載されているときもあります。1カ月前通知がテナントにとって好都合ですが、どうしても2カ月通知じゃないとだめだと言ってくるランドロードもいます。1カ月通知で退去できるように少し頑張って交渉しましょう。 中途解約(BREAK CLAUSE) この中途解約ももめる原因の一つです。駐在で英国にきているひとは、突然会社から「来月日本に帰ってこい!」とか、「来月からタイに行ってくれ!」など突然の人事異動命令を下されるときってあるじゃないですか。そんなときに、中途解約の条項が契約に入っていない場合は、契約終了まで家賃の支払い義務が生じてしまうので気をつけましょう。中途解約の条項が入っていないからどうしようとお困りの方は下記のメールまでご相談ください。info@eikoku-seikatsu.comこのトラブルを回避する方法はいくつかありますが、この投稿に書くことは控えさせていただきます。 物件訪問に関して 退去前の2カ月間の物件訪問に関してですが、ランドロードもしくは不動産会社のひとが24時間前に通知をすれば訪問をすることができるという条項も必ず入っています。あと2カ月で退去が決まっているからと言って毎日知らないひとたちが土足で物件にずかずかと上がりこまれるのもどうかと思います。そこで、24時間通知を48時間通知に変更するように交渉しましょう。それでも現地の不動産会社は今日の午後に訪問してもいいかなど急なお願いをしてくるので、「契約書通り48時間前の通知でお願いします。」とはっきり断りましょう。 日系不動産を通して契約すればトラブルがないと言っているわけではありません。英国にきて英語の契約書にサインするのは日系も英系も同じです。大事なのは契約書にサインをする前に内容を把握して納得したうえでサインをするようにしましょう。
失敗しない賃貸物件の選び方ロンドンでの賃貸物件選びに失敗しないために失敗しない賃貸物件の選び方
ロンドンでの住まい探し、初めての方にとっては「どれも素敵!」と思ってしまうかもしれません。でも、実際に住んでみると「こんなはずじゃなかった…」ということもよくあります。 そこで今回は、失敗しない物件選びのポイントと、信頼できる不動産会社の担当者を見分ける方法をご紹介します。 良い不動産会社の担当者の見分け方 ロンドンでは、不動産会社の担当者によって物件選びの成功・失敗が大きく左右されます。なぜなら、イギリスの不動産会社にとっての「お客さん」は、私たち借主(テナント)ではなく、物件のオーナー(ランドロード)だからです。 実際、多くの担当者は契約が決まれば仕事終了、あとは「何かあってもランドロードと話してね」と言われることも。そんな状況でも、親身になってくれる担当者もいます。では、どんな担当者が良いのか、見分けるポイントをチェックしてみましょう。 要注意な担当者の特徴 これらに当てはまる場合は、担当者を変えてもらうのもアリです。 なるべく避けたほうがいい物件とは? 「この物件、大丈夫かな?」と不安になったときは、以下のポイントをチェックしてみてください。 ✅ 家賃交渉が一切できない物件 例えば、2500ポンドの物件に対し、2400ポンドでオファーを出した際に「値下げ不可」と即答された場合。こういうオーナー(ランドロード)は、住んでいる間も融通が利かない可能性大。トラブル時に動いてくれないことも。 ✅ 物件管理が雑なオーナーの物件 特に洗濯機・冷蔵庫などの家電が古いと、壊れたときに大変。入居前に「故障した場合、交換してもらえるか?」を確認しましょう。 ロンドンの物件探しは時期も重要! ロンドンの賃貸市場は、時期によって良い物件の出やすさが変わります。 ✅ 春〜夏:質の良い物件が多く、選択肢も広がる ✅ 秋〜冬:物件が少なく、選ぶのが難しくなる 時期を見計らって、少しでも良い物件を探せるようにしましょう。 相談はお気軽に! 「ロンドンの賃貸物件探しで困った!」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。 📩 お問い合わせ:info@eikoku-seikatsu.com ※返信に数日かかることがありますが、ご了承ください。 皆さんのロンドン生活が快適になるよう、少しでもお手伝いできれば嬉しいです!
法人契約は現地の不動産会社には不評
ロンドンのおしゃれなエリアに住みたいと思っている方に、残念なお知らせがあります。ロンドン市内で人気のあるエリアはどこかご存じですか?フィンチリー?イーリング?センジョン?そんなエリアはイギリス人、ヨーロッパ人は見向きもしません。今、ロンドンで人気のエリアは以下のものになります。 カムデン グリニッチ ショアディッチ パットニー メアリルボーン ブリクストン ダリジ バーモンドジー ハイベリー アンド イズリントン クラップハム(Expatica調べ) ちなみに現在上のエリアにすんでいるという日本の方、あなたはロンドンのトレンディなエリアに住んでいると胸をはって日本のお友達に自慢してもいいと思います。少し昔に日本人のよく住むエリアにあったセンジョン(セント・ジョンズ・ウッド)はといいますと、上層中流階級(アッパーミドルクラス)が住む素敵なエリアとして少し前までは注目をあびていましたが、今は少し落ち目です。どちらかというと隣のプリムローズ・ヒルのほうに人気が集まっています。 なぜ人気のエリアに住んでいる日本人が’少ないのでしょうか。 上にあげたエリアに日本人があまり住んでいません。日系不動産会社のひとに言わせると現地のひとに人気のあるエリアは、治安があまり良くないから日本人向けではないとか、日系のスーパーがあまりないとか、意味不明なことを言っていると思いますが、正直いってそんなことはいっさい関係ありません。現地のひとであろうが好んで治安の悪いエリアに住むひとはいません。日系のスーパーですが、たとえ近くになくても、今の時代みなさんオンラインで注文して自宅に配達してもらっています。特にコロナ禍のような状態が今後も続くと予想される時代に、毎日スーパーで買い物するひとなんて皆無です。では本当の理由は何なのでしょうか。それは、日本企業が駐在員に法人契約を強制しているからです。法人契約といえば聞こえはいいのですが、現地の不動産会社にとっては胡散臭い契約としか思われていません。日本の企業と契約がしたことがない家主は法人契約と聞くと二の足を踏んでしまいます。法人契約は家主にとってとても不利な契約だからです。日本人だろうが、イギリス人だろうが、自分が不利になる契約書にサインをするひとはいません。 法人契約は家主にとって何が不利なのか? 具体的に法人契約は家主にとって何が不利なのでしょうか。いくつかの理由があげられますが、いちばんの大きな理由は、家主に途中解約の権利がないということです。家主が都合により物件を自分の手元に戻したくても簡単に戻すことができません。経済事情により物件を売りに出さないといけないとか、自分の息子夫婦に住ませたいなどの状況になった際に、法人契約をむすんでいると家主に選択肢はありません。だから、日本人の住むエリアというのはおのずと一部のエリアに限られてしまうのです。 日本人が人気エリアに住む方法は? では、これから来る日本人がロンドンの人気エリアに住むためにはどうすればいいのでしょうか。答えは、とても簡単です。法人契約をせず、個人契約で契約すればいいのです。お勤め先の会社が個人契約はだめですという権利はありません。日本の企業の総務に特段頭のかたいひとがいない限りこの交渉はうまくいくでしょう。社員に対して会社が住む場所を強制させる権利はいっさいありません。「家賃は会社が支払うのだから、会社のやり方に従ってもらう必要がある。」というのは日本特有の考え方で、イギリスではあまり一般ではありません。社員にも人権があり、家族がいます。住む場所を決めるのは、住むひとの権利で、優先順位は家族が安心して暮らせることであり、会社にそれを否定することはできません。 でも個人契約だと突然追い出されるケースもあるのでは? 個人契約は法人契約と違い、家主側にも途中解約の権利が与えられます。つまり、家主が突然に来月退去してくださいということも起こりえるということです。逆をいえば、もし物件が気に入らなかったら、いつでもお引っ越しができるということになります。法人契約の場合、家主だけにではなく、テナント側にも物件が気に入らないから退去しますというのができないのです。法人契約の途中解約は、住んでいるひとが会社からイギリス国内に異動になったという理由以外は認められないのです。家主から出ていけと言われる心配がないが、嫌な物件でも住み続けなければいけないという生き地獄を味わう可能性があるのです。ただ、みなさん勘違いしないでほしいのは、法人契約であれ、個人契約であれ入居してから最初の6か月間は特別な理由をのぞいて退去できないというのが法律で決まっていますのでご注意ください。 特別な理由というのは? 特別な理由があれば、6カ月以内でも退去ができると前項で申し上げましたが、どういった理由でしたら退去が可能になるのでしょうか。ロンドン市内でよくある6カ月以内に退去できたひとの特別な理由ですが、いちばんは「物件に住めない状態になった。」です。「物件に住めない状態」とはいったいどんな状態をさすのでしょうか。よくある理由をあげていきます。 ボイラーが壊れていて暖房もお湯も使えない。 水道が使えない。 電気系統に問題があり、電化製品や照明器具がいっさい使えない。 ガス漏れがしている。 もし上の状態が入居した時点であるのでしたら、すぐに家主、管理不動産会社に退去通知を出し、支払った家賃の返金も求めましょう。 個人契約をするうえでの注意点 日本人がロンドンで不動産の賃貸契約をする際に必要なものといえば、 パスポート、BRPカード(必須) 雇用証明書 銀行口座 必ず必要なのはビザ(BRPカード)です。入国してBRPカードを受け取るまでの間、パスポートにはっている1カ月期間限定のビザは役にたちませんのでご注意下さい。まずは、BRPカードの取得をしましょう。雇用証明書ですが、年俸が記載されていないと意味がありません。年俸に関してですが、月の家賃の30倍以上の年俸でなければ、審査に通りませんのでご注意ください。家賃を別途で支給される場合は、家賃の支給額もしっかりと雇用証明書に記載されている必要があります。日本の駐在員は、イギリス国内でのクレジットヒストリーがないので審査がとおらないというウソの情報がはびこっていますが、そんなことはありません。基本的に収入の証明さえあれば、誰でも審査はとおります。会社の人事部の担当者に事前に審査会社から連絡がある旨を言っておけば、何の問題もなく審査がとおります。ちなみにロンドンでは審査のことをリファレンスチェックと言います。 会社の決まりだから仕方がないと、住みたくもないエリア、住みたくもない住居で妥協せず、せっかくのロンドン駐在をおしゃれな場所で過ごすことを英国生活サイトは強くおススメします。
「家は古ければ古いほど良い」のは、お金持っていればの話
イギリスで築浅のマンションに住むのは至難の業です。古い伝統的な住居が好きなひとにはイギリスは天国みたいなところだが、現実問題として窓ガラスは一重、すきま風ぴゅーぴゅー、さらに天井が高いので暖房費がかさんでうかつに外食もできない始末。それに比べモダンなマンションは冬あたたかく、夏はすずしいうえに、光熱費も激安のいいことづくめ。日本でそんなところに住んでいるから、イギリスでわざわざそんなところに住まなくてもいいという考えも賛同します。ただ、私は個人的に寒いのは苦手なので、どうしてもモダンな築浅マンションに魅かれてしまします。そんな私の考えに賛同の方におすすめの物件ですが、ロンドン北部の人気エリア、ウッドサイドパーク(日系スーパー「あたりや」さんもあります)にある寝室が3つ、うちひとつは専用シャワールームつき、メインの浴室には浴槽のほかに別途でシャワー室もついています。まさに天国のようなマンション。詳しくは、JPSさんのウェブサイトからご覧ください。https://www.jpsinternational.co.uk/property/37/3-bed-flat-to-let-hurley-court-high-road-london/
賃貸借契約の落とし穴
ロンドン(イギリス)で賃貸契約を結ぶ際に、見落としている点はありませんか。賃貸借契約は日本のものとほぼ同じだと思っていませんか。今日は、賃貸借契約を交わす際の注意点についてお話します。 賃貸借契約とは? ロンドンで賃貸借契約というのは、借主と貸主の間で交わされる契約のことです。英語では借主をテナント(Tenant)と呼び、貸主をランドロード(Landlord)と呼びます。賃貸借契約は、このテナントとランドロードの間で交わされる契約であり、不動産会社と交わす契約ではありません。ただ、契約書は、不動産会社が準備することが多く、賃貸物件に入居するまでは不動産会社が、契約の内容に関して説明したり、修正したりする義務があります。 契約の内容とは? 基本的に契約書の中身はいくつかの項目にわかれていますが、大雑把に説明しますと下のものとなります。 借主の義務 - Tenant’s obligation 貸主の義務 - Landlord’s obligation 敷金 - Deposit 解約通知、退去通告、通知の方法 - Notice 個人情報保護法 - GDPR 賃貸借契約書は通常12~15ページで、すべて英語(もちろん)なので、日本から来たばかりのひとには読むのは少し大変かもしれませんが、読まずにサインをして、あとから知りませんでしたというのは通用しません。そこで、ここだけは押さえておけば大丈夫という点を説明します。 契約書のなかでおさえておく条項 公共料金 - Utilities 公共料金に関してですが、まず支払う必要があるのかどうかを確認してください。賃貸物件によっては、電気、ガス、水道料金が含まれている場合もあります。それなのに契約書には公共料金の支払いは借主の義務だと書かれていた場合、数カ月後多額の請求が来ても文句は言えません。基本的に契約書は物件によってオーダーメイドされているのではなく、テンプレを使っている不動産会社がほとんどで、内容を変更するのを忘れてしまう不動産会社も多いのでご注意ください。 途中解約の条項 - Break Clause この条項に関していちばんトラブルが多いのではないでしょうか。通常、賃貸契約は最低12カ月の契約になっています。何も言わなければ12カ月間は、そこに住み続けなければいけません。何も問題がなければいいですが、ロンドンでそんな物件にあたることは70%ぐらいの確率です。ということは10人中3人は何かしらのトラブルに遭遇するということです。そんなときに、この途中解約の条項がなければ最悪です。以前、マンション(イギリスではフラットと呼びます)に住んでいたAさんが、入居3カ月ぐらいしてから隣に3人の学生が引っ越してきて連日連夜のパーティー、騒音に悩まされたAさんは退去を申し出たところこの途中解約の条項が入っていなかったため、それから9カ月間騒音に耐え生活を強いられました。騒音問題の対処法はこちらでご覧ください。 途中解約は最低6カ月と法律で定められており、6カ月以内の解約はできないことになっていますのでご注意ください。 途中解約は貸主からもできる 再度、途中解約の話になりますが、途中解約は借主側からではなく、貸主からも解約ができるようになっているのが通常です。つまり、もし貸主が借主のことが嫌いで出て行ってほしいとなった場合に、貸主から退去通知を受ける可能性もありますのでその点もご注意ください。 壁に絵や写真をかけるためのクギや画びょうをさしてもいいのか せっかく高い家賃を払って住むのですから、自分の家のように家族の写真やお気に入りの絵画を壁に飾りたいですよね。でも、通常の賃貸借契約書は壁などに絵画用のクギやフックを取りつけてはいけませんと記載されています。もし、壁に写真や絵画をかけたい場合は、貸主に書面にて許可をえなければいけません。 私の知っている家主さんのほとんどは、特に気にするひとはいませんが、なかには古い建物なので絶対にダメだという変わった家主もいますので’ご注意ください。 退去通知 退去する際ですが、12カ月契約の満期をむかえれば自動的に退去できるわけではありません。退去通知というものが必要となってきます。通常は1カ月前通知か、2カ月前通知となっています。注意しなければいけないのは、1カ月前の通知というのは、不動産会社もしくは貸主が通知を受け取った日から1カ月ということになります。毎月1日に家賃を支払っている場合、もしその月の末日に退去したいのであれば、末日に相手側に届くように通知しなければいけいのです。これが1日ずれてしまうと、家賃を1日分余計に支払わなければいけません。では、月の途中で退去したいと考えているのでしたら、1カ月前の退去通知は退去したい日から1カ月さかのぼった日に相手に通知が届くように出せばいいということです。退去通知を出す方法ですが、契約書によって異なってきますが、基本的に書留郵便(Recorded Delivery)が’原則となっているはずです。 退去時の掃除 退去時に高いお金を支払ってプロの掃除業者に頼まなければいけないと思っている方が多いと思いますが、そんなことはありません。借主にプロの掃除業者を頼ませるというのが法律で禁じられています。もし、契約書に退去時はプロの業者を頼まなければいけないと記載されていたら、それは法理を違反になりますので、すぐに不動産会社にいって訂正してもらいましょう。貸主のなかには、この法律を知らないひとが多く、特に日本人が相手だと掃除業者を貸主が頼んで、借主に支払わせようとするひともいるので気をつけましょう。 他にも、まだまだたくさん注意点はありますが、今回はこのぐらいにとどめておきます。もし、個人的に質問等がありましたらお気軽にお問合せフォームにてご相談ください。
1年契約、途中解約なし、でも引っ越したい
1年前にロンドンに駐在できて2ベッドルームのフラットに入居した。来たばかりのころは、右も左もわからず不動産会社の人のいいなりでした。それが今大きな問題になっている。在宅勤務が増えたので広めの物件に引っ越したい。ただ契約してまだ1年経過しておらず退去ができない契約になっている。なんとか退去する方法はないのか?そんなあなたに英国生活サイトが途中解約する方法をお教えします。 家賃が下がりはじめ広い家に住めるチャンス コロナの影響で家賃が下がっています。「在宅勤務で家が手狭になってきたのでオフィス用の部屋が欲しい!」と思っている方多いのではないでしょうか。家にいるばかりの妻もあまり出かけることができずストレスがたまりぎみ。「こんなとき庭付きの家に住んでいたら家庭菜園などができてストレス発散になるのに…」 思いきって引っ越しをしよう! 担当の不動産会社に相談したところ契約に途中解約(Break Clause)が入っていないという。そもそも解約時に途中解約のことは聞かれなかったし説明がなかった。契約上途中解約をできない。本当に解約できないのか? 違約金を払えば解約ができるのかどうか確かめる まず賃貸契約する際に署名した契約書を見てみてください。違約金の金額やパーセンテージが書かれてあればその金額を支払って途中解約はできます。 違約金について書かれていないし途中解約の条項もない もし契約書に違約金についても途中解約についても書かれていない場合は契約の終了日まで家賃は発生します。無理やりに退去したとしても家賃の支払い義務は残ってしまいます。2件分の家賃を支払い続けるという選択肢もありますが大きな出費となります。 引っ越しをあきらめるしかないのか? あきらめるのはまだ早い。まず確認していただきたいことは契約が家主との契約になっているかどうかです。(ほとんどの契約が家主との契約のはず)もし、家主との契約になっているのでしたら家主に直接交渉するのです。「在宅勤務になり家がせまいから広いところに引っ越したい」と素直に言ってみてください。おそらく家主から交換条件を出してくるはずです。その条件がのめるものでしたら家主に気持ちが変わる前に退去してしまいましょう。家主と交渉するときの注意点ですが2つあります。 やりとりは電話でしてもいいがメールで内容確認をする(お互いの理解している内容が一致しているか) 不動産会社はとおさない 会社契約の場合も同じ 会社契約は契約者が住んでいる人ではなく会社ですが、家主とのやりとりをするのは住んでいる人なので交渉次第では途中解約できます。 会社契約の場合はBusiness Break Clauseという条項が入っている Business Break Clauseとは会社から移動の辞令が下りたときのみ途中解約ができるという条項です。ほとんどの会社契約の契約書のなかにはいっています。家主のなかには「契約違反だ!」といってくる人もいるでしょう。そんなときは家主が契約をすべて守っているのかをチェックしましょう。家主も人間です。契約書にのっている内容をすべて把握しているわけでありません。契約書のLandlord Obligation(家主の義務)のなかにある項目のなかで家主がやっていないことを探すのです。1つはあるはず。 会社契約の場合は住む人が変わってもいい 会社契約の契約書には住む人が変わってもいいという条項がはいっています。Occupier Change(住人の変更)という項目です。代わりに住む人を自分で探してそこに住んでもらえばいいのです。ただ、Occupier Changeの条件は同じ会社の人に限られていますのでご注意ください。
ロンドンの日系不動産会社のおかした大きな過ち
なぜ日系不動産会社が車で物件の案内をするのか 日系不動産会社がしていて英系不動産会社がしていないサービスの1つで車での送迎というのがあります。車の送迎をしている英系不動産会社はありません。なぜ、日系の不動産会社が車での送迎をやるのかといいますと、どこかの日系不動産会社が無料のサービスとして始めたからです。はじめてロンドンにくるひとが地下鉄の乗り方もよくわかっておらず道に迷ったりしたら大変だろうという純粋な親切心からだったと思います。 不動産会社の運転技術を信用してはいけません ロンドンの日系不動産会社で働いているひとの半分以上はワーキングホリデーでロンドンにきているひとたちです。ワーキングホリデーでロンドンにきているひとたちの多くは日本での運転経験はほとんどありません。イギリスのなかでもっとも交通量が多いロンドンというまちを若葉マークのバイトみたいな従業員がお客さんをのせて走っているのです。 ある大手の日系不動産会社の社員が数年前お客さんをのせて大事故を起こしただけでなく、うしろの席に乗っていた子どもが後遺症がのこるほどの大けがをして裁判沙汰になっていました。もしサービス内容のなかに車での物件案内とかかれてなく、お客さんから車の送迎をお客さんからお願いした場合は責任がお願いしたほうにもあるらしいです。不動産会社の社員は運転のプロじゃありません。そのことを肝に銘じておいてください。 はじめて海外にでる日本人が不動産会社におんぶにだっこ 私が日系の不動産会社がお客さんの車で送迎するのに反対な理由はほかにもあります。車で物件まで直接連れていくとお客さんは土地勘がわからないまま次の物件にいくことになります。「駅までは徒歩でどのくらいですか?」と物件で聞いてくるひとがいますが、もしそのひとが駅から歩いて物件まできていたらどうでしょうか。土地勘もわかり、さらに駅からの距離感もつかめます。実際に住むかもしれない物件がどこにあるかわからない状態で「さあ契約のお手続きにはいります。」と言われても困りますよね。住んだあとにこんなところだとは思っていなかったとなるのがオチです。 物件の詳細は事前に見ておくべき 実際に案内される物件の詳細は事前に必ず目をとおしておきましょう。駅から20分以上歩く距離にある物件や、オープンプランキッチンが希望なのにそうじゃない物件を案内されるのはただの時間の無駄です。条件がしぼられているのならその条件にあった物件だけ案内してもらえば3件ぐらいの案内ですみ、車での送迎も必要なくなり安全です。 新型コロナウィルスに感染する危険性もあり 新型コロナウィルスの感染状況が特にひどいイギリスでは、いまでも不動産会社の物件の案内はしてもいいことになっています。私の知っている日系の不動産会社の社員で新型コロナウィルスに感染したひとを数人知っていますが、特に営業店を閉鎖したり、濃厚接触者に連絡したりなどはいっさいしていませんでした。実際に3人ぐらい感染していたらしいですが、感染したひとだけ自宅待機になっただけでした。うち2人は感染がわかる数日前にお客さんの案内をしていたのでおそらくお客さんにも感染していたのではないでしょうか。 日本から来られる駐在員のひとたちへ 不動産会社の車の送迎サービスにあまんじることで、以下のリスクがあることをご理解ください。 車の事故による命の危険 土地勘がわからず物件を決めるのに時間がかかってしまう 土地勘がつきにくくロンドンに慣れるのに他のひとより遅れをとる 新型コロナウィルスに感染する
イギリスの不動産仲介の仕組み
イギリス(ロンドン)の不動産仲介の仕組みを説明します。その前に下の2つの不動産仲介の仕組みを見くらべてください。 不動産仲介1 アメリカや日本の不動産仲介1はどの不動産会社に行っても同じ物件を紹介されます。物件を探している人が何社もの不動産会社をまわる必要がありません。借り手主体のサービスです。 物件A 物件B 物件C ↓ ↓ ↓ 不動産会社A 不動産会社B 不動産会社C ↓ ↓ ↓ 物件を探している人は不動産会社A、不動産会社B、不動産会社Cどの不動産会社に行っても物件A、B、Cを内見することができる。 不動産仲介2 一方イギリスの不動産仲介2はそれぞれの不動産会社で紹介される物件が違うのです。物件を探している人が10件の物件を内見したい場合10社に問い合わせする必要があります。家主(貸し手)主体のサービスです。 物件A 物件B 物件C ↓ ↓ ↓ 不動産会社A 不動産会社B 不動産会社C ↓ ↓ ↓ 不動産会社Aでは物件Aだけ 不動産会社Bでは物件Bだけ 不動産会社Cでは物件Cだけ イギリスは法律が違う なぜイギリスはこんな面倒なシステムになっているのでしょうか。それはイギリスの法律のせいなのです。イギリスではアメリカや日本と違い賃借人に仲介手数料や礼金などを請求してはいけません。賃借人は家賃と敷金だけ支払えばいいということになっているのです。いい物件が見つかるまで紹介し続けても借り手からは一切お金が入ってきません。だからお金になる物件しか紹介しないのです。 どうやって物件を獲得する? ではイギリスの不動産会社はどうやって物件を獲得するのでしょうか。家主が手数料を支払うイギリスでは家主に対してのサービスが充実しています。契約書を無料で作成したり手数料を安くしたりなど。 日系不動産会社が物件を獲得するわけ 日系の不動産会社があるのは日本人に貸したいと思っている家主がいるから 日系の不動産会社は日本人の賃借人がたくさんいるということを家主にアピールして物件の獲得をしています。日系不動産会社の多くの家主は日本人以外には貸さないという人がほとんどです。これを英系の不動産会社にいうと人種差別ということで家主が訴えられます。だから日本人に物件を貸したい人は日系の不動産会社にしか依頼しないのです。