
イギリスの水質と髪への影響
イギリスに滞在した日本人の間で「イギリスの水が髪や頭皮に悪影響を与える」という話をよく聞きます。特にロンドンの水は硬水であるため、髪がパサついたり、抜け毛が増えるといった経験をした人も少なくありません。しかし、本当にイギリスの水が薄毛の原因なのでしょうか?医学的な見解も交えながら詳しく解説していきます。
硬水と軟水の違い
水はそのミネラル含有量によって「硬水」と「軟水」に分類されます。
- 硬水:カルシウムやマグネシウムなどのミネラルが多く含まれている水
- 軟水:ミネラル含有量が少ない水
一般的に、日本の水は「軟水」が主流であり、イギリス(特にロンドン)の水は「硬水」です。この水質の違いが、髪や頭皮に影響を与える可能性があります。
硬水が髪や頭皮に及ぼす影響
1. シャンプーの泡立ちが悪くなる
硬水に含まれるカルシウムやマグネシウムは、シャンプーの界面活性剤と結びつき、泡立ちを妨げることがあります。日本の軟水でシャンプーを使用するのに比べて、硬水では汚れが十分に落ちにくくなる可能性があります。
2. 髪がゴワゴワしやすい
硬水は髪にミネラル成分を蓄積させるため、髪の手触りがゴワつくことがあります。また、これらのミネラルが毛髪表面に付着することで、トリートメントやコンディショナーの浸透を妨げ、髪が乾燥しやすくなるのです。
3. 頭皮トラブル(乾燥・かゆみ・フケ)の原因に
硬水のミネラルは頭皮の皮脂と結合しやすく、毛穴に詰まりやすいと言われています。そのため、洗髪しても毛穴が詰まり、皮脂が過剰に分泌されたり、頭皮の乾燥を引き起こすことがあります。結果として、フケやかゆみの原因になることもあります。
4. 抜け毛の増加
硬水そのものが抜け毛の直接的な原因になるわけではありませんが、毛穴の詰まりや頭皮の乾燥が進むことで、髪の成長環境が悪化し、抜け毛が増える可能性があります。また、髪が弱くなり切れ毛が増えることも、見た目のボリューム減少につながります。
イギリス人の薄毛は水のせい?
「イギリス人は薄毛が多い」と言われることがありますが、それが水の影響だけによるものかというと、そうではありません。薄毛の主な原因として、以下の要素が考えられます。
1. 遺伝的要因
薄毛の最大の要因は遺伝です。特にヨーロッパ系の人々は、アンドロゲン性脱毛症(AGA)の発症率が高いことが知られています。これは男性ホルモンの影響で髪が徐々に細くなり、最終的に生えなくなるという症状です。
2. 食生活の違い
日本人の食生活は海藻や魚、大豆製品を多く摂取するため、髪の健康に必要な栄養素(ビオチン、亜鉛、鉄分など)が比較的豊富です。一方、イギリスでは肉や加工食品が多く、髪の成長に必要な栄養素が不足しがちになる可能性があります。
3. ストレスと生活習慣
都市部に住む人々は、ストレスや睡眠不足の影響を受けやすく、これがホルモンバランスの乱れや血行不良を引き起こし、結果として薄毛につながることがあります。
イギリスで髪や頭皮を守るための対策
1. 軟水フィルターを使用する
シャワーヘッドに軟水フィルターを取り付けることで、水の硬度を下げることができます。これにより、髪や頭皮へのダメージを軽減できます。
2. 髪に優しいシャンプーを選ぶ
硬水の影響を受けにくい「キレート成分配合」のシャンプーを使用するのも効果的です。キレート成分は、硬水中のミネラルを中和し、シャンプーの泡立ちを良くする効果があります。
3. ヘアオイルやトリートメントを活用する
硬水で乾燥しやすい髪を守るために、アルガンオイルやココナッツオイルなどのヘアオイルを使うのもおすすめです。洗髪後の保湿ケアを徹底することで、髪のパサつきを防ぐことができます。
4. 食生活を見直す
髪の健康を保つために、ビタミンB群、亜鉛、鉄分を意識して摂取しましょう。特に海藻類やナッツ、魚を取り入れることで、髪の成長をサポートできます。
5. 頭皮マッサージを取り入れる
血行不良も抜け毛の原因となるため、定期的に頭皮マッサージを行うことで、毛根に栄養が行き渡りやすくなります。
まとめ
イギリスの水質(特に硬水)は、髪や頭皮に影響を与える可能性がありますが、それが直接的な薄毛の原因になるわけではありません。イギリス人に薄毛が多いのは、遺伝や生活習慣など複数の要因が絡んでいるため、水だけを原因とするのは正しくありません。
しかし、日本人がイギリスで生活する場合、硬水による髪のダメージを受けやすいのは事実です。適切なシャンプー選びや保湿ケア、食生活の見直しを行うことで、健康な髪を保つことができるでしょう。 これからイギリスで生活する予定の方や、すでに滞在中の方は、ぜひ上記の対策を試してみてください!
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