イギリスの賃貸でデポジット全額返還!退去時のトラブルを防ぐ完全ガイド

イギリスで賃貸物件を借りる際、多くの日本人が驚くのが、退去時のデポジット(敷金)に関するトラブルの多さです。日本と異なり、イギリスではデポジットが簡単に返還されるとは限らず、大家や不動産会社によって不当に差し引かれることがしばしばあります。こうしたトラブルを避けるためには、入居前から計画的に準備し、証拠をしっかりと残しておくことが重要です。

本記事では、イギリスの賃貸物件における退去時のトラブルを回避し、デポジットを満額返還してもらうための具体的な対策について詳しく解説します。

1. 入居前にやるべきこと

1-1. 物件の現状を事前に確認する

物件を契約する前に、できる限り詳しくその状態を確認しましょう。特に以下の点に注意してください。

  • 過去の修繕履歴:どのような修繕が行われたかを確認する。
  • 既存の問題点:壁のひび割れ、カビ、窓の開閉不具合、水回りの問題など。
  • 家電や家具の状態:冷蔵庫、洗濯機、オーブンなどの動作確認。

1-2. 不動産会社に書面で問い合わせる

内覧時に気になった点は、その場で質問するだけでなく、不動産会社にメールで問い合わせることが重要です。口頭でのやり取りだけでは証拠が残らず、後で「そんなことは言っていない」と言われる可能性があるため、文書として記録を残しておきましょう。

例:

Dear [不動産会社の担当者名],

I recently viewed the property at [住所] and had some concerns regarding the following issues:

1. The washing machine appears to be malfunctioning.

2. There is visible mold in the bathroom.

3. The window in the bedroom does not close properly.

Could you please confirm whether these issues will be fixed before the move-in date?

Best regards,

[あなたの名前]

写真を添付すると、より説得力のある証拠となります。

2. 入居時にやるべきこと

2-1. 物件の状態を徹底的に記録する

契約開始日に、物件の隅々まで写真を撮り、可能であれば動画も撮影しましょう。

  • キッチン・バスルーム:水漏れや汚れがないか確認。
  • 壁・天井:ひび割れやカビの有無。
  • カーペット・フローリング:シミや傷がないか。
  • 家電:動作確認と、傷や故障の有無を記録。

この記録を保管し、必要に応じて不動産会社に送っておくことで、退去時のトラブルを未然に防ぐことができます。

2-2. インベントリーリポートのチェックと修正依頼

イギリスの賃貸物件では、**インベントリーリポート(Inventory Report)**というチェックリストが作成されます。このレポートには、物件内の設備や家具の状態が記載されていますが、多くの場合、大家や不動産会社に有利な内容になっています。

受け取ったらすぐに以下の作業を行いましょう。

  1. レポートと実際の状態を比較する
  2. 問題があれば7日以内に写真付きで不動産会社にメールする
  3. 「この状態は入居前から存在していた」と明確に記録を残す

例:

Dear [不動産会社の担当者名],

I have reviewed the inventory report for [住所] and found the following discrepancies:

1. The report states that the carpet is “good condition”, but there are visible stains in the living room.

2. The bathroom sink has a crack that is not mentioned in the report.

Attached are photos for your reference. Please update the report accordingly.

Best regards,

[あなたの名前]

3. 入居中にやるべきこと

3-1. 問題をすぐに報告する

物件に問題が発生した場合、必ずメールで不動産会社または大家に報告しましょう。口頭ではなく、証拠として残る形にすることが重要です。

  • 水漏れやカビの発生
  • 電気・ガスの問題
  • 設備の故障(暖房、冷蔵庫、洗濯機など)

これを怠ると、「テナントとしての義務を果たしていない」と見なされ、修理費用を請求される可能性があります。

3-2. 修理対応の記録を残す

修理の際に業者が来た場合、

  • 修理の詳細
  • 修理前と修理後の写真
  • 修理業者の名前と日付 を記録し、必要に応じて不動産会社に送信しておきましょう。

4. 退去時にやるべきこと

4-1. 事前に掃除と修理を行う

退去前にプロフェッショナルな清掃サービスを利用すると、クリーニング費用の請求を避けることができます。また、軽微な修理は自分で対応することで、余計な費用を防げます。

4-2. 退去時の立ち会いと記録

退去時に大家または不動産会社が立ち会う場合は、

  • 過去の報告内容を確認し、既に報告済みの問題であることを強調する
  • 再度写真や動画を撮影する

もし立ち会いができない場合は、退去直前に自分で写真や動画を撮り、証拠を残しておくことが重要です。

4-3. デポジット返還を求める

退去後、不動産会社または大家がデポジットの一部を差し引こうとした場合、理由を確認し、納得できない場合は異議を申し立てることが重要です。

イギリスでは、デポジットは**DPS(Deposit Protection Scheme)**などの第三者機関に預けられており、不当な控除がある場合は申し立てをすることができます。

まとめ

これらの対策を実施すれば、イギリスの賃貸物件での退去トラブルを最小限に抑え、デポジットを満額返還してもらう可能性が高くなります。事前準備と記録を徹底し、賢く賃貸契約を管理しましょう!

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