ロンドンの家賃が17%上昇した理由

ロンドンの賃貸物件の家賃ってとにかく高いというのが7年前はじめて不動産会社に勤めたときの感想です。どのぐらい高いかといいますと、2LDKのマンションで、ロンドンでは2ベッドルームフラットって言うんですが、ロンドン中心部で3000ポンドぐらい。日本円で50万円といったとこでしょうか。50万円って言えば東京でけっこういいところ住めますよよって話です。7年前でそんな高かったロンドンの家賃がなんと2022年の9月に17%上昇すると言ったありえないことが起きてしまったのです。要因はいろいろ言われていますが、いちばんの要因は賃貸物件の数が減少して、賃貸物件に住みたいと思うひとが増加したことです。価格が決まるのは、需要と供給のバランスですから、重要が増す、供給が減る、価格は上がるしかないじゃないですか。 なぜ、需要と供給のバランスが崩れてしまったか? 物件の数が減少した理由 まず、賃貸物件の件数が減少した理由についてですが、多くのランドロード(英国では家主をランドロードと呼びます。)が物件を売ってしまったからです。では、なぜ、売ってしまったのかと言いますと、投資としての魅力がなくなってしまったからです。英国の中央銀行であるイングランド銀行が2021年の末から段階的に利上げを行い、ターニングポイントと言われていた0.75%を2022年の5月に超えてきたことで、今後も利上げを続けるという見方が広がり、多くの家主は売りに出すことを決断したと言われています。確かに不動産投資の収益は年率3.2~3.5%ともともとそんなオイシイ投資案件ではなかったところに利上げとなり、経費、税金等を差し引くと手元にそんな残らないじゃ、売ってしまいますよね。さらに、ウクライナ戦争でロシアに経済制裁をし始めたため、近い将来ロシアの資金がロンドンから撤退するのではないかという不安を多くの投資家の頭をよぎったのはあるかと思います。相当な額のロシア資金がロンドンの不動産に投資されており、ある意味ロシア資金がロンドン不動産価格を下支えしているといってもいいぐらいでしょう。 需要が増加した理由 賃貸物件への需要が増加した理由ですが、2020~2021年にコロナパンデミック中にロンドン市内から郊外への移住者が急増しました。さらに、大学がオンライン授業になったため、英国内に住むひとは地方にいながら大学の講義を受けることができようになり、ロンドン市内に住む必要がなくなり、ロンドンから学生がいなくなりました。しかし、2021年7月に政府のコロナ対策が終了し、人々が徐々にロンドン市内に戻ってきました。2021年内は、まだ、人々が疑心暗鬼でしたが、2022年に入り、人々の間にもうコロナによる規制はないという安心感が広がり、ロンドン市内にどんどん人が戻ってきました。ということで賃貸物件に対する需要が増加したのです。 今後賃貸物件の数は増え、前のように簡単に物件が見つかるのか? さて、これから2023年にロンドン市内の賃貸物件の数はどうなっていくのでしょうか。ロンドン市内に賃貸物件が増える要因としては、まず投資案件としての魅力を取り戻せるかがカギとなってきます。ロンドンといえば、観光もさることながら、ビジネスの街として今後はもっと栄えていくことになります。2022年の1月にはグーグルがロンドンの中心部のオフィスビルを730ミリオンポンドで購入しましたし、メタ(Facebook)もキングス・クロスに大きなオフィスがあり約4000人が働いていますし、その他アップル社、アマゾン、ブルームバーグなど大手の会社が軒並みロンドンにオフィスを構えています。大企業が街に来ると雇用が増え、街も洗練されどんどんオシャレになっていき、更に人がどんどん集まるといった感じで景気も良くなっていきます。それに伴い世界中の投資家からもっと注目されるようになり、賃貸物件の件数も増えていくことになるでしょう。ただ、ウクライナとロシアの問題が解決すればの話ですが。

最近「クライシス」という言葉をよく聞くが

「クライシス(Crisis)」日本語に訳すと「危機」という言葉をコロナパンデミックが始まってからほぼ毎日のようにテレビやネットで見かけるようになりました。英国のEU離脱後からと言ったほうが正しいでしょうか。本日は、英国で過去3年以内に起こったクライシスについて紹介します。 長距離大型トラック運転手のクライシス 簡単に説明すると、長距離大型トラック運転手の大半は東ヨーロッパからの出稼ぎで成り立っていたのだが、英国のEU離脱後に、英国の貨幣価値が下がった影響で東ヨーロッパの人たちが英国から自国へ引き揚げてしまいました。もともと、労働環境の悪い長距離大型トラック運転手という職は英国人には人気がなく、運転手の数は十分だったわけではありませんでした。それが英国のEU離脱後から運転手不足問題が深刻化し、さらにコロナパンデミックが追い討ちをかける形となりました。食料のほぼ50%を輸入に頼る英国にとってはかなり深刻な問題で、一時期スーパーの野菜コーナーから野菜が消えるという事態にまで発展しました。 PPE(個人防護用具)クライシス コロナパンデミックは全世界で起きたことではありますが、英国ではコロナパンデミックが起きた後にいろいろな問題が発生しました。そのうちの1つがこのPPE(個人防護用具)が不足するというクライシスでした。日本でも薬局の店頭からマスクが消えて、ネット上で高値取引されるというのがニュースになっていましたが、英国では病院のスタッフが使うPPEが不足事態となり、医師や看護師が使い捨てのマスクや手袋を使いまわすという状態になり、多くの医師や看護師が命を落とす結果となってしまいました。このクライシスの裏側には政治家の利権問題が大きくかかわっていたのは言うまでもありません。ボリス・ジョンソンが人命よりもお金を重んじる人間だというのが垣間見られた瞬間でもあります。 エナジー・コスト・クライシス ウクライナ戦争が起きてからのガソリン、ガス、電気代の急激な値上がりが、国民の家計をひっ迫しているという話です。英国はロシアのガス供給にそんなに頼っていないので影響ないと思われがちですが、ロシアからたくさんのガス供給を受けていた国々が英国のガスの供給元(ノルウェー、カタール、USなど)からガスを購入することになり供給が一気に加速したのです。ロシアからのガスの供給がなくなったから、ガスは使いませんとはなりません。そのため、ガスがある国に注文が殺到するわけで、ガス所有国がそれを断る理由はありません。需要が増え、価格が上がるのは自然の摂理といえるでしょう。ただ、英国では石油会社、ガス会社が過去最高益をただき出してバッシングを浴びていますが、石油会社、ガス会社が利益を上げているのは、各会社の投資部門が大きな利益を上げているというだけで、一般市民から高い公共料金をせしめて利益を上げているわけではありません。バッシングされる相手はいまだに30-40%の税金をガソリンにかけている英国政府なのではないでしょうか。 賃貸物件クライシス 賃貸物件クライシスとは、賃貸物件の件数が昨年にくらべ3分の1に減少したことで、家賃が急激に上昇してしまったことです。ロンドン市内の平均賃貸価格は17%も上昇しました。賃貸物件もガソリン、ガスと同じで原理で供給が急激に減り、需要は去年と変わらないので、家賃が上昇してしまうのは当たり前の話です。ただ、問題はなぜ賃貸物件が減少したのかということです。ある調査によりますと、今年の3月~6月にかけて約94%の賃貸物件のオーナー(英国ではランドロードと呼ばれています。)が物件の貸し出しを辞めて売りに出したという報告がされています。理由は、税制の改正や中央銀行の金利引き上げなどで不動産投資自体にうまみがなくなってしまったことでしょう。 住宅ローン・クライシス 賃貸物件クライシスとつながってきますが、英国中央銀行が利上げに踏み切ったことで、住宅ローンの金利も今後上がってきます。通常は2年、5年の固定金利で住宅ローンを組むのが一般的で、今までは安い金利の人だと2%、通常で3.5%でした。それが今後ローンの金利が6%ぐらいに上がることになりますので、月々の返済額が約4%上がります。人によっては400~500ポンドの出費となり、住宅ローンを払えずに銀行に家をとられてしまう人が出てくることも考えられます。さらに、これから物件を買おうと考えていたひとが金利の引き上げに伴い、既に通っていた住宅ローンの融資実行が取り消しになる事態も発生しています。9月下旬から10月上旬にかけ、約2000件の住宅ローンの融資実行が取り消しになりました。前の首相リズ・トラスのせいだというマスコミもいますが、本当の理由は金利の引き上げです。 フード・コスト・クライシス 単純に食料品の値段がとにかく上がって一般家庭の家計をひっ迫している状態です。英国はとにかく昔から物価が高いということを言われていましたが、ここ10年ぐらいはそんなに物価が上がっているという実感はありませんでした。しかし、今年に入りウクライナ戦争が始まってからは、食料品の値上げに歯止めがかかりません。先月の食料品だけに関しての値上げ率は17%と、異常な値上がり率になっています。英国には、フードバンクという生活保護団体が低所得者向けにスーパーの食料品を無料で配布するサービスが普及しており、現在そのフードバンクを利用している人の数は英国内で217万いると言われています。 今後どうなる? 英国に現在住まわれている方、これから英国に来る予定の方がいちばん知りたいのは、今後英国はどうなっていくのか、ではないでしょうか。正直わかりませんが、このまま政府が何もしなければ、状況がよくなることはないと思います。英国はアメリカと同じで、金融の引き締めという道を選んでしまったため、もとの金融緩和に戻ることは、まず、ありえないでしょう。金融緩和がないということは、減税も恐らく行われないでしょう。ただ、底辺の人たちを見捨てないというのが英国のいいところではあるので、金融支援的なことは要所要所で行われることになるでしょう。英国にいれば、飢え死にすることはないということです。

イングランド銀行が公定歩合を2.25%に引き上げたことによって今後起こりえること

公定歩合の上昇はインフレを鈍化させる? 公定歩合の引き上げは、単純にお金を借りたときの金利が上がることに直結します。英国人はとにかく借金が大好きな人種で、何か買い物をするとき手持ちのお金には手をつけずクレジットカードなどで支払いします。手元のポートフォリオが目減りすることを嫌う、まさに企業経営者の考えが英国では一般家庭にも浸透しているのです。今までは低金利で借金できたものが、今後はそれなりの金利を支払わなければいけなくなるのです。中央銀行のイングランド銀行は、消費者には直接お金を貸すことはありません。イングランド銀行がお金を貸すのは各銀行、そして、各銀行を通して消費者にお金が貸し出される仕組みは日本も同じですよね。ということは、イングランド銀行が利上げをしたということは、各銀行の金利はそれよりも高くなければいけません。現時点で公定歩合は2.25%なので各銀行は消費者にお金を貸し出すときおそらく最低でも倍の5%の金利をつけて貸し出すことになります。では、消費者の心理として今までは気軽に借金して買い物を楽しんでいたのに、金利が上がることで物を買うという欲求がかなりの割合で落ちます。つまり、人が物を買わなくなります。皆さんもご存じのように物価というのは需要と供給で決まってきますので需要(買いたいという欲求)が減少するイコール、物の値段が下がるということにつながり、インフレが鈍化するのではないかというのが、英国政府とイングランド銀行の見通しです。 インフレからデフレにはならないのか? さて、前項で金利上昇が物価上昇を鈍化させるという話をしたのですが、インフレからデフレ(物価の下落)になるのかという疑問が出てきますが、残念ながらデフレになるのはまだまだ先の話です。というのも、今回の急激なインフレのきっかけは皆さんもご存じ「ウクライナ戦争」です。ガス、原油の高騰が、各企業のコスト高につながり、物価を押し上げてしまったのです。ということは、この戦争が終わらない限り物価の下落は起こりにくいということになります。英国も日本と同じで食料品の約46%を輸入に頼っています。日照時間が短い国なのでしょうがないと言えばしょうがないのですが、戦争などでその道が絶たれると連動して弱くなってしまいます。ということで、公定歩合が上がっただけではデフレになる可能性はかなり低いのではないでしょうか。 住宅ローンの金利があがることで、住宅の販売価格は急落するのか? 各銀行は住宅ローンの金利を2年間の固定金利6%に、5年間の固定金利を5.8%にすると発表しましたが、住宅の販売価格は下落するのでしょうか。これは私見ですが、住宅の価格は下がらないと思います。なぜかと言いますと、前項でも言いましたように、価格というのは需要と供給のバランスで決まってきます。住宅ローンの金利が高くなったから今は家を買わないという選択をする人は出てくるかと思いますが、ローンの金利が高くなったから家を買わないで済む人はいいですが、家を買わなければいけない人が英国にはたくさん存在します。そういった人たちは住宅ローンの金利が高くなろうが、欲しい家が見つかれば買うのです。住宅ローン金利の引き上げは、今の右肩上がりの相場を一瞬崩すことになることは考えられます。でも、いずれ多くの人は住宅ローンの金利が今後下がることはないことに気づくでしょう。住宅ローンの金利は2000年~2008年は4-6%で推移していました、2008年にリーマンショックがあり、それを皮切りにどんどん下がり、コロナパンデミックがさらに金利の下げに拍車をかけ、2021年の後半には、1.2%まで下がりました。(参考文献)英国政府というか先進諸国の多くは景気が悪くなったら金利を下げるということを繰り返し行ってきたが、景気回復につながりませんでした。つまり、今後景気が悪くなっても金利を下げることはもうないのではないかとみています。遅かれ早かれ人々が5%、6%の金利に慣れてしまいます。そうなってから本当の好景気が訪れるのではないかと私は予測しています。

ロンドンの賃貸物件市場に異常な現象がおきている

コロナ禍が落ち着きを見せてきたロンドンではありますが、賃貸物件市場は異常な現象が起きています。何が異常かといいますと物件数です。通常は1月から春先にかけは増加傾向で、夏場には最多となります。ただ今年2022年に関しては物件数が激減しています。 なぜ、賃貸物件数が減ったのか? 投資対象としての魅力がなくなった 1つに金利の引き上げを見越して投資家が物件を手放しているというのもあると思います。Bank of England(イングランド銀行)が今年にはいり、既に2回の金利の引き上げを実施しました。年初に0.25%だった金利ですが、今は1.25%となっており、年内には2%まで上がると言われています。中央銀行の金利が引き上げで個人の住宅ローンの金利も必然と上がり、不動産投資への意欲が落ち、投資手として物件を買うひとが目減りしました。今までは安い金利でローンを組んで物件を購入、維持することができていたが、金利が上がると月々の返済額も増え家賃収入が目減りするどころか、逆にマイナスになってしまうことも想定されます。また、需要と供給のバランスが崩れ物件の価格が下落するという見方をしている投資家が、高く売れるうちに売っておこうということで、賃貸物件を手放すひとも増えたことから物件数が減ったことも説明がつきます。 住み替えをするひとの減少 コロナ禍のロックダウン中はロンドン市内から市外に出ていく人ばかりで、ロンドンから一時期ひとがいなくなりました。結果、多くの家主は家賃を大幅に引き下げでテナントの獲得に躍起となりました。過去2年の間にテナントを獲得した家主は家賃の引き上げをできずに、通常1~2年周期で引っ越しを繰り返すテナントたちも引っ越しをせず、現在の物件に住み続けようというのも賃貸物件を減らしている原因の一つです。 賃貸物件の質が悪くても借り手がつくほど品不足 私もロンドンで賃貸物件を扱い10年ほどたちますが、今年のようなマーケットは経験したことがありません。4,5年前にある家主にこんなボロな物件は借り手がつきませんと言っていたような物件でも市場に出せば1~2日で借り手が見つかってしまう完全な売り手市場です。粗悪な賃貸物件に住むはめになった人たちには申し訳ない気持ちでいっぱいです。最近も私どもで宣伝していた物件で2ベッドルームの物件がノースフィンチリーというところにあったのですが、とにかく通気性が悪く、すぐにカビが発生してしまう物件がありましたが、他の不動産会社が日本人のテナントさんを見つけたという報告を家主から受けました。現在のテナントさんは英国人の男性が2人でシェアフラットとして住んでいるのすが、彼らもカビの発生に悩まされ退去することとなりましたが、新しく入居する方にはそういった情報はいっさい入っていないでしょう。家賃も2,3年前は2ベッドルームのアパートで平均1,400~1,600ポンドが今は1,700~2,000ポンドとなってしまいました。 内覧せず物件を契約するひとがコロナ禍より多い コロナ禍中は、コロナに感染することを恐れて実際に物件に行かず、ビデオを通しても内覧で契約をしてしまうひとがいましたが、今年は内覧の予約を取っている間に物件が他のひとに決まってしまうということで内覧せずに契約してしまうひとの数がコロナ禍中に比べても2倍から3倍に増えました。特に日本人の場合は日本から契約したいというひともいますので、内覧せずの契約がかなり増えているのではないでしょうか。渡英する日や内覧する日を待っているよう余裕などないのです。いいと思ったら即決で契約しなければいい物件に住むことはできない時代になってしまいました。 今後心配されることは? 今年にはいって賃貸物件の更新をされた方は、恐らくすでに気づいているひともいると思います。そうです、家賃の値上げです。もし今後も賃貸物件数の品薄状態が続いたとしたら、家賃は年々上がっていくことになります。では、テナントして家賃の値上げに対してどういった対策をとることができるのでしょうか。まずは、契約年数を長くすることです。通常ロンドンの賃貸契約は最低1年となっていますが、別に1年でなければいけないといことはありません。ひとによっては2年、3年という契約期間もできます。長くすることによって家主側に家賃の値上げするチャンスを与えないということです。ただ、長期間の賃貸契約を結ぶことにより、家賃の値上げは避けられますが、契約中の退去は難しくなってしまいますのでご注意ください。では長期間の賃貸契約をせずに2年目、3年目の家賃を据え置きにする方法ですが、契約書に最初の2年は家賃を据え置くという条項をいれてもらうことです。この交渉はオファーを出す時点でやらないといけません。オファーが受諾され契約書を交わす時点でそのような交渉をすると家主から契約を破棄される可能性があります。じゃんけんの後出しと同じです。英国で交渉する場合、そんな卑怯なやり方ではなく正々堂々と正直に話したほうがうまく行くことが多いからです。今年ロンドンに来られる方は賃貸物件探しに苦労するかと思いますが、根気よく探せば必ずいい物件に巡り合えます。

現地不動産会社を通して賃貸契約するときの注意点

以前にも投稿させていただきました内容で重複する点も多いかと思いますが、最近あまりにも現地不動産会社を通しての賃貸契約に関するトラブルの相談が増えてきましたというのもあって再度、現地不動産会社を通しての賃貸契約するときの注意点について解説します。 なぜ、現地不動産会社との契約が増えてきたのか? まず、本題に入る前になぜ現地不動産会社を通しての賃貸契約が増えてきたのかという疑問にお答えします。理由はいろいろありますが、ざっくり言いますと下のものになります。 日本人の英語力があがり、現地不動産会社でも契約が簡単にできるようになった 日本人がたくさん住むエリアに住みたくないひとが増えた 会社に歩いて通えるエリアに日系不動産会社がない 上の3つの理由ですが、実はすべて関連しているのです。日本人の英語力があがり、日系の不動産会社に頼る必要性がなくなったので、現地不動産会社を通しての契約が増えたということです。3つめの会社への徒歩圏内といいますと、日系企業の多くがロンドンの都心部に集中していますが、都心部に日系不動産会社はありません。昔は都心部は治安が悪いとか、ゴミゴミしていて環境悪いなどの悪条件が揃っていましたが、今は治安もよくなり、車の排気ガスに関してはウルトラ・ロウ・エミッション(超低排出)規制がはじまり、都心部は排気ガスをたくさん放出する車に対して通行料が課金されるようになり、環境もかなり良くなっています。そもそも日本人の若いひとにとって郊外に暮らすメリットってほとんどありませんからね。都心に住む日本人が増えるのは当たり前と言えばそうですよね。 賃貸契約の際は、契約書をしっかり読もう さて、本題に入りますが、まず現地不動産会社を通して賃貸契約をする際に、必ずチェックしなければいけない項目があります。契約書はだいたい10~15ページぐらいのものになりますが、そんな難しいことは書いていません。テナント(借主)の義務、ランドロード(貸主)の義務、一般的な決まり、特別事項の4つの構成になっています。なかでも注意しないといけないのは、テナントの義務(TENANT’S OBLIGATION)です。テナントの義務というのは基本的に期日通り家賃を支払うということと物件をきれいに使用するということです。 物件をきれいに使用する義務とは 物件をきれいに使用するというのは、ランドロードが定期的に物件にきてチェックするので毎日きれいに掃除しなくてはいけないということではありません。住んでいるときどんなに散らかしたり汚したりしてもいいけど、退去して物件を返却する際には入居時と同じ状態に戻せということです。そのままの内容のことがテナントの義務に記載されていますが、物件をきれいに使用するというのはどういうことなのかという細かい内容も記載されています。例えば、壁に画びょうやクギを打ってはいけないという項目は必ず入っていますが、住む家に写真や絵を壁に掛けたいですよね。その場合、契約書にサインする前にランドロードに許可をもらうようにして、それを特別事項として記載してもらいましょう。物件をきれいに使用するという義務の中に、庭の手入れももちろん含まれています。日本でもやったことのない庭の手入れを英国でするなんて正直無理ですよね。でも、賃貸契約書には100%含まれています。では庭の手入れを怠った場合はどうなるのでしょうか。隣のひとから庭の手入れをするように注意されたり、退去時に法外な金額をランドロードから請求されたりします。庭の手入れに自信がないかたは、ガーデナーを雇いましょう。一回呼ぶごとに30~40ポンドほどとられますが、庭がきれいになり隣のひとから嫌味を言われることもなくなり平和に暮らせます。 退去通知の方法 退去通知のほうほうでもめるケースが意外とあります。退去通知というのは、物件を出ますとランドロードに通知することです。例えば、今より条件のいい物件が見つかったので引っ越したいとなったとき、今住んでいる物件のランドロードに退去したいと通知しなければいけません。通常は1カ月前通知、2カ月前通知、場合によっては3カ月前通知と記載されているときもあります。1カ月前通知がテナントにとって好都合ですが、どうしても2カ月通知じゃないとだめだと言ってくるランドロードもいます。1カ月通知で退去できるように少し頑張って交渉しましょう。 中途解約(BREAK CLAUSE) この中途解約ももめる原因の一つです。駐在で英国にきているひとは、突然会社から「来月日本に帰ってこい!」とか、「来月からタイに行ってくれ!」など突然の人事異動命令を下されるときってあるじゃないですか。そんなときに、中途解約の条項が契約に入っていない場合は、契約終了まで家賃の支払い義務が生じてしまうので気をつけましょう。中途解約の条項が入っていないからどうしようとお困りの方は下記のメールまでご相談ください。info@eikoku-seikatsu.comこのトラブルを回避する方法はいくつかありますが、この投稿に書くことは控えさせていただきます。 物件訪問に関して 退去前の2カ月間の物件訪問に関してですが、ランドロードもしくは不動産会社のひとが24時間前に通知をすれば訪問をすることができるという条項も必ず入っています。あと2カ月で退去が決まっているからと言って毎日知らないひとたちが土足で物件にずかずかと上がりこまれるのもどうかと思います。そこで、24時間通知を48時間通知に変更するように交渉しましょう。それでも現地の不動産会社は今日の午後に訪問してもいいかなど急なお願いをしてくるので、「契約書通り48時間前の通知でお願いします。」とはっきり断りましょう。 日系不動産を通して契約すればトラブルがないと言っているわけではありません。英国にきて英語の契約書にサインするのは日系も英系も同じです。大事なのは契約書にサインをする前に内容を把握して納得したうえでサインをするようにしましょう。

法人契約は現地の不動産会社には不評

ロンドンのおしゃれなエリアに住みたいと思っている方に、残念なお知らせがあります。ロンドン市内で人気のあるエリアはどこかご存じですか?フィンチリー?イーリング?センジョン?そんなエリアはイギリス人、ヨーロッパ人は見向きもしません。今、ロンドンで人気のエリアは以下のものになります。 カムデン グリニッチ ショアディッチ パットニー メアリルボーン ブリクストン ダリジ バーモンドジー ハイベリー アンド イズリントン クラップハム(Expatica調べ) ちなみに現在上のエリアにすんでいるという日本の方、あなたはロンドンのトレンディなエリアに住んでいると胸をはって日本のお友達に自慢してもいいと思います。少し昔に日本人のよく住むエリアにあったセンジョン(セント・ジョンズ・ウッド)はといいますと、上層中流階級(アッパーミドルクラス)が住む素敵なエリアとして少し前までは注目をあびていましたが、今は少し落ち目です。どちらかというと隣のプリムローズ・ヒルのほうに人気が集まっています。 なぜ人気のエリアに住んでいる日本人が’少ないのでしょうか。 上にあげたエリアに日本人があまり住んでいません。日系不動産会社のひとに言わせると現地のひとに人気のあるエリアは、治安があまり良くないから日本人向けではないとか、日系のスーパーがあまりないとか、意味不明なことを言っていると思いますが、正直いってそんなことはいっさい関係ありません。現地のひとであろうが好んで治安の悪いエリアに住むひとはいません。日系のスーパーですが、たとえ近くになくても、今の時代みなさんオンラインで注文して自宅に配達してもらっています。特にコロナ禍のような状態が今後も続くと予想される時代に、毎日スーパーで買い物するひとなんて皆無です。では本当の理由は何なのでしょうか。それは、日本企業が駐在員に法人契約を強制しているからです。法人契約といえば聞こえはいいのですが、現地の不動産会社にとっては胡散臭い契約としか思われていません。日本の企業と契約がしたことがない家主は法人契約と聞くと二の足を踏んでしまいます。法人契約は家主にとってとても不利な契約だからです。日本人だろうが、イギリス人だろうが、自分が不利になる契約書にサインをするひとはいません。 法人契約は家主にとって何が不利なのか? 具体的に法人契約は家主にとって何が不利なのでしょうか。いくつかの理由があげられますが、いちばんの大きな理由は、家主に途中解約の権利がないということです。家主が都合により物件を自分の手元に戻したくても簡単に戻すことができません。経済事情により物件を売りに出さないといけないとか、自分の息子夫婦に住ませたいなどの状況になった際に、法人契約をむすんでいると家主に選択肢はありません。だから、日本人の住むエリアというのはおのずと一部のエリアに限られてしまうのです。 日本人が人気エリアに住む方法は? では、これから来る日本人がロンドンの人気エリアに住むためにはどうすればいいのでしょうか。答えは、とても簡単です。法人契約をせず、個人契約で契約すればいいのです。お勤め先の会社が個人契約はだめですという権利はありません。日本の企業の総務に特段頭のかたいひとがいない限りこの交渉はうまくいくでしょう。社員に対して会社が住む場所を強制させる権利はいっさいありません。「家賃は会社が支払うのだから、会社のやり方に従ってもらう必要がある。」というのは日本特有の考え方で、イギリスではあまり一般ではありません。社員にも人権があり、家族がいます。住む場所を決めるのは、住むひとの権利で、優先順位は家族が安心して暮らせることであり、会社にそれを否定することはできません。 でも個人契約だと突然追い出されるケースもあるのでは? 個人契約は法人契約と違い、家主側にも途中解約の権利が与えられます。つまり、家主が突然に来月退去してくださいということも起こりえるということです。逆をいえば、もし物件が気に入らなかったら、いつでもお引っ越しができるということになります。法人契約の場合、家主だけにではなく、テナント側にも物件が気に入らないから退去しますというのができないのです。法人契約の途中解約は、住んでいるひとが会社からイギリス国内に異動になったという理由以外は認められないのです。家主から出ていけと言われる心配がないが、嫌な物件でも住み続けなければいけないという生き地獄を味わう可能性があるのです。ただ、みなさん勘違いしないでほしいのは、法人契約であれ、個人契約であれ入居してから最初の6か月間は特別な理由をのぞいて退去できないというのが法律で決まっていますのでご注意ください。 特別な理由というのは? 特別な理由があれば、6カ月以内でも退去ができると前項で申し上げましたが、どういった理由でしたら退去が可能になるのでしょうか。ロンドン市内でよくある6カ月以内に退去できたひとの特別な理由ですが、いちばんは「物件に住めない状態になった。」です。「物件に住めない状態」とはいったいどんな状態をさすのでしょうか。よくある理由をあげていきます。 ボイラーが壊れていて暖房もお湯も使えない。 水道が使えない。 電気系統に問題があり、電化製品や照明器具がいっさい使えない。 ガス漏れがしている。 もし上の状態が入居した時点であるのでしたら、すぐに家主、管理不動産会社に退去通知を出し、支払った家賃の返金も求めましょう。 個人契約をするうえでの注意点 日本人がロンドンで不動産の賃貸契約をする際に必要なものといえば、 パスポート、BRPカード(必須) 雇用証明書 銀行口座 必ず必要なのはビザ(BRPカード)です。入国してBRPカードを受け取るまでの間、パスポートにはっている1カ月期間限定のビザは役にたちませんのでご注意下さい。まずは、BRPカードの取得をしましょう。雇用証明書ですが、年俸が記載されていないと意味がありません。年俸に関してですが、月の家賃の30倍以上の年俸でなければ、審査に通りませんのでご注意ください。家賃を別途で支給される場合は、家賃の支給額もしっかりと雇用証明書に記載されている必要があります。日本の駐在員は、イギリス国内でのクレジットヒストリーがないので審査がとおらないというウソの情報がはびこっていますが、そんなことはありません。基本的に収入の証明さえあれば、誰でも審査はとおります。会社の人事部の担当者に事前に審査会社から連絡がある旨を言っておけば、何の問題もなく審査がとおります。ちなみにロンドンでは審査のことをリファレンスチェックと言います。 会社の決まりだから仕方がないと、住みたくもないエリア、住みたくもない住居で妥協せず、せっかくのロンドン駐在をおしゃれな場所で過ごすことを英国生活サイトは強くおススメします。

賃貸借契約の落とし穴

ロンドン(イギリス)で賃貸契約を結ぶ際に、見落としている点はありませんか。賃貸借契約は日本のものとほぼ同じだと思っていませんか。今日は、賃貸借契約を交わす際の注意点についてお話します。 賃貸借契約とは? ロンドンで賃貸借契約というのは、借主と貸主の間で交わされる契約のことです。英語では借主をテナント(Tenant)と呼び、貸主をランドロード(Landlord)と呼びます。賃貸借契約は、このテナントとランドロードの間で交わされる契約であり、不動産会社と交わす契約ではありません。ただ、契約書は、不動産会社が準備することが多く、賃貸物件に入居するまでは不動産会社が、契約の内容に関して説明したり、修正したりする義務があります。 契約の内容とは? 基本的に契約書の中身はいくつかの項目にわかれていますが、大雑把に説明しますと下のものとなります。 借主の義務 - Tenant’s obligation 貸主の義務 - Landlord’s obligation 敷金 - Deposit 解約通知、退去通告、通知の方法 - Notice 個人情報保護法 - GDPR 賃貸借契約書は通常12~15ページで、すべて英語(もちろん)なので、日本から来たばかりのひとには読むのは少し大変かもしれませんが、読まずにサインをして、あとから知りませんでしたというのは通用しません。そこで、ここだけは押さえておけば大丈夫という点を説明します。 契約書のなかでおさえておく条項 公共料金 - Utilities 公共料金に関してですが、まず支払う必要があるのかどうかを確認してください。賃貸物件によっては、電気、ガス、水道料金が含まれている場合もあります。それなのに契約書には公共料金の支払いは借主の義務だと書かれていた場合、数カ月後多額の請求が来ても文句は言えません。基本的に契約書は物件によってオーダーメイドされているのではなく、テンプレを使っている不動産会社がほとんどで、内容を変更するのを忘れてしまう不動産会社も多いのでご注意ください。 途中解約の条項 - Break Clause この条項に関していちばんトラブルが多いのではないでしょうか。通常、賃貸契約は最低12カ月の契約になっています。何も言わなければ12カ月間は、そこに住み続けなければいけません。何も問題がなければいいですが、ロンドンでそんな物件にあたることは70%ぐらいの確率です。ということは10人中3人は何かしらのトラブルに遭遇するということです。そんなときに、この途中解約の条項がなければ最悪です。以前、マンション(イギリスではフラットと呼びます)に住んでいたAさんが、入居3カ月ぐらいしてから隣に3人の学生が引っ越してきて連日連夜のパーティー、騒音に悩まされたAさんは退去を申し出たところこの途中解約の条項が入っていなかったため、それから9カ月間騒音に耐え生活を強いられました。騒音問題の対処法はこちらでご覧ください。 途中解約は最低6カ月と法律で定められており、6カ月以内の解約はできないことになっていますのでご注意ください。 途中解約は貸主からもできる 再度、途中解約の話になりますが、途中解約は借主側からではなく、貸主からも解約ができるようになっているのが通常です。つまり、もし貸主が借主のことが嫌いで出て行ってほしいとなった場合に、貸主から退去通知を受ける可能性もありますのでその点もご注意ください。 壁に絵や写真をかけるためのクギや画びょうをさしてもいいのか せっかく高い家賃を払って住むのですから、自分の家のように家族の写真やお気に入りの絵画を壁に飾りたいですよね。でも、通常の賃貸借契約書は壁などに絵画用のクギやフックを取りつけてはいけませんと記載されています。もし、壁に写真や絵画をかけたい場合は、貸主に書面にて許可をえなければいけません。 私の知っている家主さんのほとんどは、特に気にするひとはいませんが、なかには古い建物なので絶対にダメだという変わった家主もいますので’ご注意ください。 退去通知 退去する際ですが、12カ月契約の満期をむかえれば自動的に退去できるわけではありません。退去通知というものが必要となってきます。通常は1カ月前通知か、2カ月前通知となっています。注意しなければいけないのは、1カ月前の通知というのは、不動産会社もしくは貸主が通知を受け取った日から1カ月ということになります。毎月1日に家賃を支払っている場合、もしその月の末日に退去したいのであれば、末日に相手側に届くように通知しなければいけいのです。これが1日ずれてしまうと、家賃を1日分余計に支払わなければいけません。では、月の途中で退去したいと考えているのでしたら、1カ月前の退去通知は退去したい日から1カ月さかのぼった日に相手に通知が届くように出せばいいということです。退去通知を出す方法ですが、契約書によって異なってきますが、基本的に書留郵便(Recorded Delivery)が’原則となっているはずです。 退去時の掃除 退去時に高いお金を支払ってプロの掃除業者に頼まなければいけないと思っている方が多いと思いますが、そんなことはありません。借主にプロの掃除業者を頼ませるというのが法律で禁じられています。もし、契約書に退去時はプロの業者を頼まなければいけないと記載されていたら、それは法理を違反になりますので、すぐに不動産会社にいって訂正してもらいましょう。貸主のなかには、この法律を知らないひとが多く、特に日本人が相手だと掃除業者を貸主が頼んで、借主に支払わせようとするひともいるので気をつけましょう。 他にも、まだまだたくさん注意点はありますが、今回はこのぐらいにとどめておきます。もし、個人的に質問等がありましたらお気軽にお問合せフォームにてご相談ください。

投資先としてイギリスはいかがでしょうか

イギリスの不動産は安全 日本国内だけに投資をしていて不安になることはありませんか?もし、日本という国が沈没してしまったら、あなたは資産をすべて失うことになります。日本が沈没するなんてそんなバカなことが起きるわけがないと思っていませんか?日本が経済的な意味で沈没することはないでしょう。しかし、日本が物理的に沈没する可能性はいくつか考えられます。 地震などの天災によって沈没する可能性 年間1000~2000回起きると言われる地震。1923年に発生した関東大震災では10万人以上のひとが亡くなっていて、2011年人起きた東日本大震災では2万2000人以上のひとが亡くなっています。最近では、新型コロナウィルスが原因でなくなったひとが現時点で1万4000人以上となっています。単純に日本にひとがいなくなった時点で日本沈没と言えるでしょう。 北朝鮮からの核攻撃 日本はアメリカに守られているから大丈夫だろうと思っていませんか?キム・ジョンウンのようないかれた独裁者が仕切っている国に私たちの常識は一切通用しません。北朝鮮はアメリカを脅威ともなんとも思っていませんので、日本をつぶしたいと思った瞬間にいつでも核攻撃をする準備はあります。核攻撃された時点で日本は沈没することになります。 資産は分散するというのは基本中の基本 なぜ、イギリスの不動産に投資するべきなのか?下のグラフですがロンドンの過去20 年の不動産価格の動きになります。 値上がりはしていますが、直近3年は横ばい状態です。上がり続けているなかを購入するのは勇気がいりますが、横ばいの現状を買うのは比較的安全と言えるのではないでしょうか。 不動産の相場観について ロンドンの物件の価格というのは平均どのぐらいなのでしょうか。日本人に馴染みの深いマンションの価格で見てみましょう。ロンドンといってもエリアによって価格帯が大きく異なってきます。今回は価格的にお手ごろ感のあるロンドン北部、地下鉄のエリアでいうゾーン4を見てみます。 1LDKのマンションですと安いもので18万ポンド、日本円で約2700万円。家賃収入は年間で12000ポンド、日本円で約182万円。 2LDKですと安いもので38万ポンド、日本円で約5700万円。家賃収入は年間で18000ポンド、日本円で約273万円。 3LDKですと安いもので47万ポンド、日本円で約7100万円。家賃収入は年間で21600ポンド、日本円で約328万円。 どんな物件がお手ごろで利益率がいいのか? 上の価格を比較していただくと一目瞭然です。投資物件として魅力的なのは1LDKのマンションに間違いありません。 1LDKのマンションとはどんな感じなのか見てみましょう。比較的大きめのリビング(10畳ぐらい)、寝室(8畳ぐらい)、キッチン(4畳半)、浴室(ユニットバス)という構成になっています。内装は下の写真をご覧ください。 大儲けをしようという考えのかたはイギリスの不動産投資はおすすめしませんが、減価償却だったり、貯金するよりもマシだとお考えのかたでしたらぴったりではないでしょうか。とにかく安全な投資先です。

イギリスの伝統的な家とは?

伝統的な家で思い浮かべるのは有名なおとぎ話「3匹のこぶた」です。イギリスには3匹目のこぶたが建てたレンガ造りの家が大半を占めます。1930年代に建てられた家が多く、戦争前の資材がたくさんあった時期に建てられているのでとても頑丈です。家の特徴としますと 部屋がすべてわかれていること。 天井が高いこと。 窓が1枚ガラス 部屋がすべてわかれている 部屋がすべてわかれているのは普通ではないのか?と思われた方も多いかと思います。ここでいう部屋がわかれているというのはリビングルーム、ダイニングルーム、キッチンがわかれているという意味です。日本の家のようにキッチンとリビングルームが一体化しているオープンプランという概念はイギリスの伝統的な家には存在しません。食事のにおいがリビングルームなどに残るのをあまり好まないからです。 天井が高い 天井が高いことを英語で「High Celling」といいますが、天井が高くなったはじまりは日常的に暖炉が使われていたり、家の中でタバコやパイプをすうのが当たり前だった時代に煙がこもっても煙が目の高さに降りてこないようにするためだったと言われています。建物のなかが全面禁煙になった現在でも天井が高いことで部屋が広く見える、窓が大きくつくられ部屋全体に自然光がはいりやすいという理由でイギリス人には人気があります。 窓が1枚ガラス イギリスの家には2重サッシというかサッシ自体が存在しません。そのかわりにペアガラス、英語では「Double glazing」があります。イギリスに伝統的な家には1枚ガラスがよく使われています。 減りつづける伝統的な家 日本と同じように、イギリスでも時代の流れとともに伝統的な家は減ってきています。1枚ガラスは冬場寒いし防犯的にも安全ではないということでペアガラスに変わり、海外からの移民が増えてオープンプランキッチンの需要が増えて改装したりなどモダンな家が最近では多くなってきました。モダンな実用的な家に作り変えていくひとがいる反面で伝統的な家にこだわり続けるひともなかにはいます。イギリスの伝統などまったく気にしない移民が増えることでイギリスらしさがどんどん失われています。イギリスがEUを離脱したのもこういったことも関係しているのではないでしょうか。 実際に伝統的な家とはどういったものなのか見てみましょう ご紹介する家はロンドン北部のフィンチリーというエリアにある大きな2階建ての家です。寝室は全部で5つあり、主寝室には専用のシャワーとトイレがついています。1階には広々としたアイランドつきのキッチン、リビングルームのほかにダイニングルームが別であります。リビング、ダイニング、キッチンが一体化した家に住みなれている日本の方にとっては少し不便を感じるのではないかと思います。食事をするところ、くつろぐところは別というのがイギリス人の考えです。ごちゃごちゃ説明してもわからないと思いますので、実際に見てみてましょう。

2021年の不動産市況を読む

不動価格は一度下がり、そのあと急上昇する 不動産マーケットがクラッシュ(下落)するという話はイギリスのEU離脱が浮上した2016年から言われていますが、いまだクラッシュしていません。それどころか、EU離脱の国民投票があった2016年の6月から2020年の11月までの不動産価格は17%もの値上がりをしています。理由ですが、住宅の供給不足、住宅ローンの金利が安いなどいろいろ言われていますが、けっきょくのところ家を買う人がいるから価格が上がり続けているのです。買う人がいなくなれば価格は下がるしかありません。2021年は誰が不動産を買うのでしょうか。 2020年に買えなかったひとたち、売ってしまったひとたち 今後不動産を買うと思われるひととして考えられるのはコロナウィルスパンデミックにより収入に影響を受けたひとたちでしょう。どういうことかといいますと、多くのひとがコロナパンデミックにより仕事を失ったり、求職状態になったりして収入が減ってしまいました。その影響で住宅ローンの審査に通らず購入を断念したひとたちもたくさんいます。それだけではありません。持ち家だったひとのなかにも住宅ローンの支払いができずやむを得ず家を売ってしまったひともいます。パンデミックが終息し経済がもとどおりになったとき、彼らの収入も戻り経済的にも余裕がでてきて再度家探しをして購入するひとや一度失った持ち家を買い戻すと思われます。イギリスでは今でも家を借りるより買うほうが経済的に賢い選択だと信じているひとが多いのです。 企業が動けばひとも動く 過去30年間でヨーロッパから多くの大手企業がビジネス展開してきました。それにより多くの優秀な人材がイギリスには移り住んできました。各会社の幹部クラスのひとたちは賃貸物件に住まず、物件を購入して住んでいます。また、企業がまとめてロンドン市内に物件を何件か所有し、ロンドンに赴任してくる駐在員にあてがったりしています。もし、こういった企業がヨーロッパに拠点を移動させるとなった場合に、彼らが所有している多くの不動産も処分されることになるでしょう。二度とイギリスには戻ってことはないからです。 EU離脱による経済への影響は? 2021年1月1日からイギリスは正式にEUのメンバーではなくなりました。すでにイギリスとヨーロッパ間での物流においてさまざまな問題が生じています。ヨーロッパからイギリスへ商品を取り寄せるのに最低20%の関税がかせられるというのも企業にとっては痛い出費となります。逆に商品をヨーロッパに送ることも今までのように簡単ではなくなってしまいました。影響がでているのは物流だけではありません。金融業界でも影響がではじめています。2021年1月1日よりロンドンの金融センターでヨーロッパの証券取引ができない状態になっています。3月までに正式なルールが決まるらしいですが、もしロンドンとEUの証券市場が完全に切り離された場合にロンドンの金融業界で働く5万人以上のひとが職を失うと予想されています。それだけではなく大手の銀行や証券会社はロンドンの支店の縮小、閉鎖し、EU内の主要国(ドイツ、アイルランド、オランダなど)に拠点を移すことになると世界金融の中心地といわれていたロンドンの格がどんどん下がりひとが集まってこなくなります。これはロンドンにとって大きな損失につながることになります。 新たなイギリスへの移住者 イギリスから去るひとがいれば、新たにやってくるひとたちもいます。おそらく、香港人、カナダ人、オーストラリア人。なぜこの3か国からひとがやってくるかといいますと、イギリスがビザを率先して出すと約束したからです。誰でもビザをもらえるわけではありません。ある程度の貯蓄をもっているひとという限定です。その目的はイギリス連邦国のなかでも経済的な豊かな国の香港、カナダ、オーストラリアから富裕層をイギリスに招き入れて経済を潤そうという考えからです。カナダとオーストラリアはわかりませんが、香港からは2025年までに500万人のひとがイギリスへ移住してくるといわれています。香港人にとっては中国人になるよりはマシだということで移住してくるひとが今後も増えていくことが予想されます。おそらく香港、カナダ、オーストラリアからの移住が活発化するのは、コロナパンデミックがおさまりはじめる秋ごろからと思われます。そうすると不動産を買い求めるひとたちで不動産価格は回復することになるでしょう。予定通りイギリスにひとがはいってくればのはなしです。