昨年末より蔓延し始めた新型コロナウィルス(以下コロナ)ですが、未だ衰えるどころか逆に勢力を増している感じです。
コロナパンデミックは各国の経済にも大きな打撃を与えおり、旅行業をはじめ外食産業や小売業では大量のリストラを行っており、私が住むイギリスでは失業者が75万人に上ると言われています。
消費意欲の減少は、多種多様な企業に波及していて、私のいる不動産業界にも影響が出ています。
私のわかる範囲で簡単に状況をお伝えします。
銀行の貸し渋り
これは、予想していたことではありますが、銀行が住宅ローンの申請に対して承認を出さない。つまり、家を買いたくても買えない状態になっているということです。
では、物件の価格が暴落しているのかと言いますと、それはまだ起きていません。イギリスは日本と違い海外から不動産投資をする人がたくさんいて、そういった人たちはこの状況下でも不動産を買っているからです。
価格は、まだ暴落していないと言いましたが、下落はしています。
家賃滞納者の増加
賃貸物件に住んでいる人の家賃の滞納、未納率が上がっています。
調べによると、賃貸物件に住んている約25%の人が家賃の支払いができなくなっています。
家主からのみ報酬をもらうイギリスの不動産システム上、家賃の未納は不動産会社への売り上げにも大きく影響してきます。
オフィス、店舗の解約、家賃未納
これは、世界中で起きていることだと思います。
在宅勤務が中心の今、都心に高額の家賃を支払う理由はありません。そこで多くの企業がオフィスの解約をしているのです。
普段はビジネスマンで賑わう街が、ゴーストタウン状態になっていてレストラン、カフェの経営者がお店の家賃を支払えなくなっています。
ロンドンの商業用物件の契約は通常10年が最低期間となっており、その間は解約できません。解約するには会社を潰すか新しい借り手を探す以外の逃げ道はないのです。
コロナの第2波が来てしまった今、人々はさらに消極的になっており、いつ自分が職を失うかという恐怖に怯え生活しています。
そんな状態で不動産投資をしようとする人が減り、引っ越しをしようという人も減り、大手不動産会社はコスト削減に躍起になっています。
コロナ感染を恐れ、物件の内見もオンライン化が進んでおり、不動産屋が商店街から消えてしまう日も遠い未来の話ではないかもしれません。
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