イギリスの政界ではついに、あの混沌とした時期を乗り越え、保守党から労働党への政権交代が行われました。これまでに何度もお騒がせしてきた政権の座が変わったことで、イギリス国民たちは新しい時代の幕開けを期待していた…はずでしたが、現実は甘くない。むしろ、国民の気分は酸っぱく、そしてしょっぱくなったかもしれません。さぁ、その理由を詳しく見ていきましょう。
コロナ禍のパーティーモンスター、ジョンソン首相の退場
元々、保守党政権はボリス・ジョンソン元首相の「パーティーゲート」事件でその信用を失い、ついには党内外のプレッシャーで退場することに。パンデミックの最中に、政府主催のパーティーが行われていたことがメディアにすっぱ抜かれたのは記憶に新しいでしょう。ジョンソン氏は「ソーシャルディスタンス? なにそれ、おいしいの?」とばかりに、他国の指導者たちが必死でコロナ対策をする中、自らは豪華な宴に勤しんでいたというのです。
そんなニュースが国民の耳に届けば、当然ながら「こりゃあ、もう次の選挙は無理だろうな」と皆が予感していたことでしょう。信頼を失った保守党に代わり、労働党が新たな旗手として登場したわけです。
労働党のスロー・モーション政策
ところが、政権が労働党に変わったといっても、状況はあまり改善されていません。労働党は、政権を奪取した直後に数々の政策を打ち出しました。発表された政策は実に豪華絢爛で、多くの国民が「これは期待できるかも!」と胸を高鳴らせたものです。
しかし、期待を胸に抱いた国民の顔に水をかけるような事態が続きました。労働党が早々に発表した政策の数々は、実行されるまでに遅々として進まず、もはや「スロー・モーション政策」と呼ばれる始末。その上、最初に取り組んだのは比較的簡単に実施できるような、誰にでもできることばかりでした。たとえるなら、火事場に駆けつけて「さあ消火活動だ!」と叫びながら、火の手がないところに水を撒いていたようなものです。
老人を見捨てる?!年金受給者への補助金カット
特に国民の反感を買ったのが、年金受給者への光熱費補助金の廃止です。これまで、イギリスでは年金生活者に対して光熱費の一部を補助する制度がありました。寒い冬の時期には「この補助金のおかげで、暖炉の前でホットティーを片手に猫とまどろむ至福の時間を過ごせる」といった年配の方々の声も多かったのです。
しかし、労働党は真っ先にこの補助金をバッサリと削減!その理由は「支出削減が急務」というものでした。もちろん、これを耳にした年金受給者たちは大憤慨。「あのジョンソンでさえ、こんな冷たい仕打ちはしなかったのに!」といった声もチラホラ。結局、老人たちは寒風の中で震えながら「これが新しい時代か…」とつぶやく羽目になりました。
増税の嵐、そして国民の溜息
さらに、労働党は新しい時代を築くどころか、「増税」の嵐を巻き起こしました。保守党が政権を握っていた頃も、経済立て直しの名のもとに増税が行われていたため、「どこが政権を取ろうと、結局は増税なんだな」と国民の多くが諦めモード。あちらを立てればこちらが立たず。結局、増税が行われる度に国民は財布の中身を確認し、「あれ? お金がどこかに消えた?」と眉をひそめることに。
特に今回の労働党の増税は中間層にも大きな影響を与え、「これなら保守党のままで良かったんじゃないか?」という声すら聞こえてきます。結局、誰が政権を握っても変わらないのでは?といった諦観が広がっているのが現状です。
政権交代は魔法ではない
政権交代の度に人々が期待するのは、「今度こそ世の中が良くなる」という希望です。しかし、現実は厳しい。イギリスの例を見てもわかるように、政権が変わってもすぐに世の中が劇的に良くなるわけではありません。むしろ、古い問題が解決される前に新しい問題が次々と浮上し、その都度政府は「今しばらくお待ちください」と言い続けるだけです。
もちろん、政権交代そのものには意味があります。新しいリーダーシップが新しいアイデアを持ち込み、政治の停滞を打破しようとする試みは重要です。しかし、その試みが実行されるまでには、想像以上の時間と労力が必要なのも事実。イギリスの国民たちは、期待していた「変化」のはずが、「ただの延長戦だった」という現実に直面してしまいました。
日本もイギリスの二の舞?
こうした状況を目の当たりにすると、日本でも政権交代の可能性がささやかれる中で、イギリスの例を参考に「本当にそれで世の中は良くなるのだろうか?」と考えさせられるかもしれません。確かに政権が変わることで新しい風が吹き込み、政治の流れが変わることはありますが、劇的な変化を期待してしまうと、その落差に失望してしまうことも多々あるのです。
結果として、政権交代はあくまで「始まり」に過ぎず、その後の政治運営こそが本当の勝負です。日本でもイギリスでも、政権を取ることが目的化してしまうと、国民の期待を裏切ることになりかねません。
信じる者は絶望する…のか?
英国の政権交代劇は、国民にとって希望の光のように見えましたが、結局はまたしても暗雲が立ち込める結果に。「政権交代なんて、ただの一時の気休め」と感じている人々も少なくないでしょう。
しかし、信じる者は必ずしも絶望するわけではありません。時間はかかるかもしれませんが、ゆっくりとした変化の中で、新しい政権が信頼を取り戻し、実効性のある政策を打ち出していけば、少しずつ国民の期待に応えることも可能でしょう。
イギリス国民たちも、政権交代後の混乱を乗り越え、新しい時代を築くのか、それとも再び「パーティーモンスター」の時代を懐かしむのか、次の展開が気になるところです。日本もこれを他山の石とし、政権交代の先にある「本当の変化」を見据えることが重要かもしれません。とはいえ、今はただ「光熱費補助金」の復活を祈りつつ、労働党の次なる一手を見守りましょう。
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