
1. イギリスでは家庭教師(tutor)が一般的
イギリスでは、家庭教師(tutor)を利用するのが一般的ですが、日本のような塾(cram school)の文化はあまり定着していません。その背景には、教育制度の違いや学習習慣の差異があります。ただし、状況によっては学習塾も存在します。
2. 家庭教師(Private Tutoring)の特徴
イギリスでは、多くの生徒が特定の教科で成績を上げるために家庭教師を利用します。特に以下のような場面で利用されることが多いです。
- 受験対策(11+試験、GCSE、A-Level、大学入試)
- 特定の教科の補習(数学や英語など)
- 奨学金や難関校への対策
家庭教師の授業はオンラインまたは対面で行われ、個別指導が基本です。特にロンドンなどの都市部では、家庭教師の需要が高く、高額な授業料を払う家庭もあります。
2-1. 家庭教師の料金
家庭教師の料金は講師の経験や指導対象の学年によって異なります。以下は一般的な相場です。
指導対象 | 料金(1時間あたり) |
小学生向けの基礎学習 | £20 – £40 |
GCSE対策 | £30 – £50 |
A-Level対策 | £40 – £70 |
大学入試対策(Oxbridgeレベル) | £50 – £100 |
ロンドンでは、特に有名な講師による授業の場合、£100以上の授業料がかかることもあります。
2-2. 家庭教師の探し方
家庭教師は、以下の方法で探すことが一般的です。
- 家庭教師紹介サイト(Tutorful, MyTutor, Superprofなど)
- 学校や知人からの紹介
- 大学生による家庭教師サービス(OxfordやCambridgeの学生による指導など)
3. 学習塾(Cram School)の位置づけ
日本のような集団授業の塾(cram school)は少ないですが、例外的に存在します。以下のような学習塾が挙げられます。
3-1. 有名な学習塾(Cram Schools)
- Kumon(公文式)
- 世界的に展開する日本発の教育メソッド。
- 小学生向けの補習が中心。
- Explore Learning
- 小学生向けの英語・数学の学習センター。
- 比較的手頃な料金で利用可能。
- 受験対策塾(11+ Exam, GCSE, A-Level向け)
- 私立学校の入試や大学受験のために特化。
- 例: Bright Young Things, Examberry, Keystone Tutors など。
3-2. 塾の料金
学習塾の料金は以下のような相場となっています。
塾の種類 | 料金(月額) |
Kumon | £60 – £80 |
Explore Learning | £150 – £200 |
受験対策塾(11+) | £250 – £500 |
GCSE/A-Level対策 | £300 – £600 |
一般的に、集団指導は家庭教師よりも安価ですが、個別指導の塾では家庭教師と同程度の費用がかかることもあります。
4. なぜ家庭教師が主流なのか?
イギリスでは、なぜ塾よりも家庭教師が主流なのでしょうか? その理由を以下にまとめます。
4-1. 学校の授業が基本的にしっかりしている
日本と違い、イギリスでは学校の授業が比較的少人数で行われ、個別対応がしやすいです。そのため、授業でついていけない生徒は個別指導の家庭教師を利用する傾向があります。
4-2. 試験の時期が異なる
日本では受験シーズンが集中しているため、塾に通って一斉に対策をする文化があります。しかし、イギリスではGCSEやA-Levelなどの試験が分散しており、短期間で集中する塾よりも個別の家庭教師が好まれる傾向があります。
4-3. 塾に行く文化が根付いていない
日本では「ほとんどの子が塾に行く」というのが一般的ですが、イギリスでは成績が心配な生徒だけが補習を受けることが多いです。そのため、家庭教師やオンライン学習が主流となっています。
5. まとめ
- イギリスでは家庭教師(tutor)が主流であり、個別指導が一般的。
- 塾(cram school)はあるが、日本ほど一般的ではない。
- 受験対策や成績向上のために家庭教師をつける家庭が多い。
- 料金は指導内容によって異なり、家庭教師の方が費用が高くなる傾向がある。
日本と比べると、イギリスの学習サポートは「個別指導型」が主流と言えます。特に受験や成績向上のために、家庭教師の需要が非常に高い点が特徴です。
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