イギリスのガソリンE5・E10・Premiumは何が違う?日本のレギュラー・ハイオクと比較

イギリスで初めてガソリンスタンドに行くと、

E10
E5
Premium
Super Unleaded
95 RON
97 / 99 RON

など、日本ではあまり見かけない表示が並んでいて戸惑います。

日本なら基本的に、

レギュラー
ハイオク
軽油

から選べばいいので分かりやすいのですが、イギリスの場合は「E5とE10」と「オクタン価」が同時に表示されるため、少し複雑です。

「E5の方が高級なの?」
「E10は安いガソリン?」
「Premiumは日本のハイオク?」
「普通の車にはどれを入れればいい?」

と迷った経験がある人も多いのではないでしょうか。

実は一番重要なのは、

E5・E10はガソリンの“高級さ”を表しているのではなく、エタノールの含有量を表している

ということです。

今回はイギリスのガソリンの違いを、日本のレギュラー・ハイオクと比較しながら分かりやすく解説します。


まず結論|イギリスのガソリンを簡単に比較

現在イギリスの一般的なガソリンスタンドでは、大きく次の2種類を見かけます。

英国での表示エタノールオクタン価の目安日本での感覚
E10 / Regular / Unleaded最大10%95 RON普通のガソリン
E5 / Super Unleaded最大5%97 RON以上ハイオクに近い
Premium / Performance fuel商品による97~99 RONなどハイオク系

英国政府によると、標準的な95オクタンのガソリンはグレートブリテンでは2021年9月からE10となり、北アイルランドでも2022年11月からE10になりました。E5は主に97オクタン以上の「Super」グレードとして販売されています。

ただし、ここで注意したいのがPremiumという言葉です。


E5とは?

E5の「E」は、

Ethanol(エタノール)

のEです。

数字の5は、

エタノールを最大5%含む

という意味です。

したがって、

E5=高級ガソリン

という意味ではありません。

単純に、

ガソリンに含まれるエタノールが最大5%

という規格です。

英国では現在、E5は主に97 RON以上のSuper Unleadedとして販売されています。英国政府も、E10に適合しない車についてはE5の97+オクタンを使用するよう案内しています。


E10とは?

E10は、

エタノールを最大10%含むガソリン

です。

英国では現在、一般的な95オクタンのガソリンがE10となっています。

つまり普通のガソリン車で給油するときに、一番よく見るのが、

Unleaded E10 95

です。

英国政府によると、英国でE10が導入された主な理由は、再生可能エタノールを混ぜることで化石燃料の使用量とCO₂排出量を減らすためです。


E5とE10の最大の違いはエタノール量

ここを覚えておけば非常に簡単です。

E5
→ エタノール最大5%

E10
→ エタノール最大10%

です。

「E10の方がオクタン価が10高い」という意味ではありません。

実際には、

E10 95 RON

E5 99 RON

のように、

Eの数字とオクタン価は別々の情報

なのです。

これが英国のガソリンを日本人が分かりにくいと感じる最大の理由でしょう。


「95」「97」「99」は何?

ガソリンスタンドでは、

95

97

98

99

といった数字も見かけます。

これは、

RON(Research Octane Number)

と呼ばれるオクタン価です。

簡単に言えば、

エンジン内部で異常燃焼(ノッキング)しにくい性能を表す数字

です。

数字が高いほど、圧縮比の高い高性能エンジンなどでも異常燃焼を起こしにくくなります。

Essoも、オクタン価について「ガソリンのノッキングへの耐性を示し、高いオクタン価ほどノッキングしにくい」と説明しています。


英国の普通のガソリンは95 RON

現在のイギリスでは、

95 RON E10

が標準的なガソリンです。

英国政府はこれを「standard grade petrol」としています。

日本人の感覚では「レギュラー」に相当する位置付けですが、実はオクタン価だけを比較すると、日本のレギュラーより高い水準です。


日本のレギュラーガソリンは何RON?

日本のJIS規格では、

レギュラーガソリン:89 RON以上

ハイオクガソリン:96 RON以上

とされています。ENEOSもJIS K2202に基づき、この基準を説明しています。

これを英国と比較すると面白いことが分かります。

日本RON
レギュラー89以上
ハイオク96以上

一方イギリスでは、

英国RON
標準E1095
Super / E597以上
高性能Premium98~99など

つまり、

イギリスの普通の95 RONガソリンでも、日本のレギュラーよりオクタン価が高い

ということになります。


では英国のE10は日本のハイオク?

ここは単純に「はい」とは言えません。

英国の標準E10は一般的に95 RON。

日本のJISでハイオクとされる最低基準は96 RON以上です。

そのため規格上は、

英国95 RON E10=日本のハイオク

ではありません。

英国で日本のハイオクに近いものを選ぶなら、

97 RON以上のSuper Unleaded / E5

の方が近いと考えた方が分かりやすいでしょう。


Premium Petrolとは?

ここが英国のガソリンで最もややこしいところです。

日本では「Premium Gasoline」と言えば基本的にハイオクをイメージします。

しかし英国では、Premiumという言葉の使われ方が一定ではありません。

英国政府の制度上では、95 RONの標準ガソリンを「Premium grade」と表現した資料もあります。一方、ガソリンスタンドや自動車関連サイトでは、高オクタンの高性能燃料を「Premium fuel」と呼ぶこともあります。

そのため、

「Premium」と書いてあるからハイオクだろう

と名前だけで判断しない方が安全です。

見るべきなのは、

E5 / E10

そして、

RON 95 / 97 / 98 / 99

です。


Super Unleadedとは?

英国で日本の「ハイオク」に最も近いカテゴリーが、

Super Unleaded

です。

一般的には97 RON以上の高オクタンガソリンで、現在はE5として販売されることが多くなっています。

英国政府も、E10に対応していない車には、

E5のSuper grade(97+ octane)

を利用するよう案内しています。


99 RONというガソリンもある

英国では97 RONだけでなく、

99 RON

という高オクタンガソリンも販売されています。

例えばEssoのSynergy Supreme+ 99は、

99 RON・E5

として販売されています。

このような高性能燃料は、

高性能車
スポーツカー
高圧縮比・ターボエンジン
メーカーが高オクタン燃料を指定している車

などで使われることがあります。


高いガソリンを入れれば車が速くなる?

必ずしもそうではありません。

例えば95 RONで設計された一般的な車に99 RONを入れたからといって、

突然パワーが大幅に上がる

わけではありません。

RACも、高オクタン燃料が必要・推奨される高性能車がある一方、一般的な車ではメリットが小さい場合があると説明しています。

重要なのは、

高いガソリンを買うことではなく、自分の車がメーカーから指定されている燃料を使うこと

です。


E10対応車なら普通はE10で大丈夫

英国政府によると、2011年以降に製造されたすべての新車はE10に対応しており、現在英国を走るガソリン車の約95%がE10対応とされています。

したがって比較的新しい一般的なガソリン車なら、

95 RON E10

を普通に使用できる場合がほとんどです。

ただし、車種ごとの指定燃料については必ず車両マニュアルや給油口の表示を確認してください。


古い車はE10に注意

E10で特に注意が必要なのが、

クラシックカー

古い車

2000年代初頭の一部車種

一部のバイクやモペッド

です。

英国政府も、こうした車両の一部はE10に対応していない可能性があるとしています。

理由の一つが、E10ではエタノール含有量が多くなることです。

長期間E10を非対応車に使用すると、一部の燃料系部品などに悪影響を与える可能性があります。


自分の車がE10対応かどうやって調べる?

一番簡単なのは、

給油口を確認すること

です。

比較的新しい車では、給油口付近に、

E5

E10

などの表示があります。

英国政府によると、2019年以降に製造された新車では、給油口付近にE5/E10対応表示が付いているはずです。

表示がない場合は、

車の取扱説明書

または

英国政府のE10 Vehicle Checker

で確認できます。


間違えてE10を入れてしまったら?

E10非対応車に間違えてE10を入れてしまった場合でも、1回だけなら通常は大きな問題にはならないと英国政府は説明しています。

政府の案内では、

次回E5(97+)を給油すればよく、通常はタンクを空にする必要はない

としています。

ディーゼル車にガソリンを入れてしまった場合とはまったく違います。

ただし、E10非対応車への継続的な使用は推奨されていません。


E5とE10を混ぜても大丈夫?

E10対応車なら、

E5とE10を混ぜても問題ありません。

例えば、

前回:E10
今回:E5
次回:E10

という使い方でも問題ありません。

英国政府も、E10対応車であればE5とE10を同じタンク内で混ぜても安全としています。


E10の方が燃費が悪いって本当?

これは完全な間違いではありません。

エタノールはガソリンよりエネルギー密度が低いため、E10にすると燃費がわずかに下がる可能性があります。

英国政府では、

E10を使用すると燃費が約1%低下する可能性がある

としています。

ただし1%程度なので、日常運転ではほとんど気付かないレベルでしょう。

政府も、タイヤ空気圧や運転方法、ルーフラックなどの方が燃費への影響は大きいと説明しています。


ではE5を入れた方が燃費が良くて得?

必ずしもそうではありません。

E5のSuper Unleadedは通常、E10より価格が高く設定されています。

仮に燃費がわずかに良くなったとしても、

ガソリンそのものの価格差を回収できるとは限りません。

そのため、E10対応の一般的な車なら、

節約目的だけで常に高価なE5を入れる必要はない

と考えていいでしょう。


高級車ならPremiumを入れるべき?

これは車によります。

例えば車のマニュアルや給油口に、

98 RON recommended

98 RON minimum

などと書かれている場合は、メーカー指定に従うべきです。

一方、

95 RON minimum

なら、通常は英国の標準E10 95を使用できます。ただしE10への適合性も確認してください。

高性能車ではノッキングを防ぎ、本来の性能を発揮するために高オクタン燃料が必要になる場合があります。


日本から持ってきた車は特に注意

日本仕様車をイギリスへ輸入して使っている場合は少し注意が必要です。

日本のレギュラー仕様車だからといって、

「英国でも一番安いE10を入れればいい」

とは必ずしも言い切れません。

オクタン価

と

E10への対応

は別の問題だからです。

例えばオクタン価だけなら英国の95 RONは日本のレギュラー規格89 RON以上を上回っています。

しかし古い日本車の場合、燃料系統がE10に適合しているかどうかを別途確認する必要があります。

特にクラシックな日本車を英国で所有している人は注意しましょう。


日本のハイオク指定車なら何を入れる?

日本のハイオク指定車の場合は、

Super Unleaded E5 97+ RON

が候補になります。

日本のハイオク規格は96 RON以上なので、英国の97 RON以上のSuperはオクタン価の面では近いカテゴリーです。

ただし、車によって98 RON以上が指定されている場合などもあるため、最終的には車両マニュアルを確認してください。


E5は必ずPremiumなの?

これも少し違います。

E5=エタノール最大5%

Premium / Super=商品のグレードやオクタン価

だからです。

英国では制度上、E5が主に97 RON以上のSuperグレードとして残されているため、

E5=高いガソリン

のように見えます。

しかし本来は別々の分類です。

これを理解すると、ガソリンスタンドの表示がかなり分かりやすくなります。


ディーゼル車にはE5・E10を入れない

当然ですが、

E5とE10はどちらもガソリンです。

ディーゼル車には使用できません。

ディーゼルのポンプでは、

Diesel

またはバイオディーゼル含有量を示す、

B7

などの表示が使われます。

英国政府もE10への変更はガソリンだけで、ディーゼルには影響しないと説明しています。


ガソリンスタンドではどこを見ればいい?

迷ったら、ポンプに表示されている3つを確認してください。

① PetrolかDieselか

まずここを絶対に間違えないこと。

② E5かE10か

自分の車が対応しているか確認。

③ RONはいくつか

95、97、98、99など、メーカー指定のオクタン価を確認します。

つまり、

「Premium」という名前だけを見るのではなく、E5/E10とRONを見る

のが最も確実です。


イギリスのガソリンを一言で覚えるなら

英国生活を始めたばかりなら、まず次のように覚えておけば十分です。

E10 95

普通のガソリン

比較的新しい一般的なガソリン車ならこれを使うケースが多い。

E5 97+

高オクタンのSuperガソリン

古い車や高オクタン指定車などで使用。

98・99 RON

さらに高いオクタン価の高性能燃料

スポーツカーや高性能車などでメーカーが推奨する場合があります。


まとめ|E5・E10・Premiumは同じ基準ではない

英国のガソリンを理解するうえで一番重要なのは、

E5・E10とPremiumは同じ種類の分類ではない

ということです。

E5とE10は、

エタノールの含有量

を表します。

一方、

95 RON
97 RON
99 RON

は、

オクタン価

です。

そしてPremiumやSuperは、

ガソリンの商品グレードを表す名称

として使われています。

ですから英国で給油するときは、

E5かE10か

だけを見るのではなく、

95・97・98・99 RON

も一緒に確認するのがポイントです。

日本から来た人なら、

E10 95=英国の普通のガソリン
E5 97+=日本のハイオクに近いカテゴリー

と覚えておくと、かなり分かりやすいでしょう。

そして最終的には価格や「Premium」という名前ではなく、自分の車の給油口または取扱説明書に書かれている指定燃料を選ぶのが最も安全です。


イギリスのガソリン早見表

表示意味主な特徴
E10エタノール最大10%英国の標準ガソリン
E5エタノール最大5%主にSuperで販売
95 RONオクタン価95標準E10に多い
97+ RON高オクタンSuper Unleaded
99 RONさらに高オクタン高性能Premium燃料など
Super Unleaded高オクタンガソリン日本のハイオクに近い
Premium商品・制度で意味が異なるE5/E10・RONを確認
Diesel軽油E5/E10とは別物

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