クレームをする場面というのは日本であろうが海外であろうが必ずあります。
購入した商品が不良品だった、レストランで注文したがなかなかでてこない、料理に虫がはいっていたなどなど。
クレームなんて少し強い口調で文句をいえばいいだけだと思っているあなたはイギリスではクレーマーとしてあつかわれて相手にもされないでしょう。
おそらく日本でもクレーマーとしてあつかわれているのではないでしょうか。
言語力の問題だけではない
この話をすると日本の友達から「英語力の問題ではないのか」と聞かれます。
では英語ペラペラのひとがクレームをして一瞬で解決するなんてことはありません。
逆に英語が上手すぎるために解決するどころか問題がさらに大きくなってしまったというケースも少なくありません。
伝えたいことを伝えられる言語力というのはクレームには必要ないのです。
英語があまり上手でないほうがいい
英語があまり上手でないひとは伝えたいことを相手に伝えようとがんばります。
そして余計なことは言いません。というかそんな余裕がありません。
だから話を聞いているほうはなんとかしてあげようとしてくれます。
だから相手が問題の解決に協力してくれるのです。
大きな声を出して意見を通そうとするのはアメリカ人
前にアメリカにいったときレストランで大きな声でクレームしているひとを見かけたことがあります。
テーブルを予約したのに予約されてなかったみたいなことだったと思います。
私は一緒にいたアメリカ人の友人に「アメリカ人も日本人みたいに大声でクレームするんだ。」とボソッと言ったら、「アメリカ人はいつも大声でクレームする。クレームしなければ自分の意見は通らない。自分が正しいならそれを主張しないといけない。」と言っていたのを覚えています。
イギリスでは誰も大声を出さない
イギリスではクレームするとき誰も大声を出しません。
大声を出して感情的になっているひとは尊敬されるどころか、軽蔑さえされます。
もし自分が100%正しいなら大声を出す必要はありません。
相手が納得するようにたんたんと説明すればいいだけなのです。
アメリカと日本は似ている
アメリカと日本は似ています。
なにが似ているかというと考え方です。
日本もアメリカも「お客様は神様」という考えがしみついています。
だから、レストランなどで「すみませ~ん!」と手をあげて大きな声で店員さんを呼ぶ光景をよく目にします。
いまはわかりませんが、少し昔は注文するとき指をならして店員さんを呼ぶひともいました。
イギリスは店員さんを呼ぶとき声をださない、手をあげない
イギリスではレストランで店員さんを呼ぶとき声も出さないし、手もあげません。
だまって目線をあげて店員さんと目が合うのを待つだけです。
目が合うと店員さんが何もいわずに寄ってきます。
なにが違うかというとイギリスは店員さんとお客さんが同等の立場です。
店員さんも同じ人間でお客さんは食事をしてお金を支払うひと、店員さんはそれをサポートするひとでどちらが上だということはありません。
だからといって横柄な態度をとる店員さんはいません。
お互いに敬意をはらっているのです。
責任がないひとへ文句をいっていることに気づいていない
クレームする相手は基本的にカスタマーサポートやカスタマーサービスで直接の責任がないひとたちです。
商品が不良品だったのは商品をつくったひとや工場に責任があります。
でも電話をかけてでるひとは別の部署のひとで商品をつくったひとでも開発したひとでもありません。
そんなひと大声で文句をいってもお互いに気分が悪くなり疲れるだけです。
だったら商品が不良品だったから返品なり、返金なり、交換をしてくださいで話は終わりです。
日本人は原因を追究する
たまにクレームするひとが何でこんなミスをしたのかとかなんで商品が届かなかったのかなどはっきりとした原因を追究してくるひとがいますが、イギリスでそんなことを言ったらクレーマーとしてあつかわれてまともな対応をしてもらえなくなります。
人がやっていることなんだからミスぐらいあるだろうというのがイギリスの考えです。
原因を追究して2度と同じミスをしないようにするのは会社のなかで行うことで消費者がかかわることではありません。
イギリスでは仕事が原因でノイローゼになるひとは少ない
イギリスでは日本のように仕事の悩みが原因でノイローゼになるひとはほとんどいません。
自殺者の数もコロナパンデミックがはじまる前の2019年をみてみると5千人ちょっとで日本の自殺者の数の4分の1にすぎません。
そのかわりイギリスではお酒やドラッグが原因で精神的におちこんだりするひとが日本より多いです。
日本のように頭のおかしいクレーマーを相手にしてノイローゼになるよりはるかにマシではないでしょうか。
そんな国ではクレームというより一緒に解決する心
イギリスではクレーマーがあまりいないのでサービスを提供する側にとってはストレスフリーでいいが、消費者にとっては少し不便ではあります。
サービスの質はこの10年でかなりよくはなりましたが、それでもとんでもない間違いがいまだによくあります。
ただ消費者がそのたびに電話をしたり、メールを書いたりと手間と時間を要します。
問題がおきたときは、けっして怒鳴ったり大きな声を出さず、たんたんと何がおきたのかを説明して一緒に解決しようという姿勢がとても大切ですし、最短で解決します。
日本でも同じ方法で解決できそうな気がしませんか?
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