【完全ガイド】お酒が飲めなくても大丈夫!イギリスで人間関係を築くための“ソバー”な方法

イギリスに住んでいたり、旅行や仕事で訪れたりした人なら、きっと一度はこう言われたことがあるはずです。

「イギリス人と仲良くなりたいなら、まずはパブへ行け」

これは決して冗談ではなく、かなり的を射たアドバイスです。パブはイギリスにおける生活の中核。仕事終わりの同僚とのリラックスタイム、週末の友人との語らい、地元コミュニティの情報交換の場――そんな社交のハブがパブなのです。

でも、そんな話を聞いて、こんな疑問が浮かんだ人もいるのではないでしょうか?

「でも私、お酒が飲めないんだけど……」

結論から言えば、大丈夫です。イギリスで人間関係を築くのに、必ずしもお酒は必要ありません。むしろ、最近のイギリスでは“お酒を飲まない”こと自体が1つの選択肢として、広く認知されつつあります。

イギリスにも“下戸”は存在する。そして増えている。

まず最初に安心していただきたいのは、イギリスにもお酒を飲まない人たちはたくさんいるということ。

宗教的な理由、健康の都合、または単純に「酔う感覚が好きじゃない」など理由は様々ですが、実際に「全く飲まない」「たまにしか飲まない」という層は確実に存在しています。

特に近年注目されているのが「ソバー・キュリアス(Sober Curious)」という考え方です。

◆ ソバー・キュリアスとは?

「ソバー・キュリアス」は直訳すると“しらふに興味がある”という意味。つまり「お酒を飲めない」ではなく「飲まないという選択をしている」人たちのことを指します。これは一過性のブームではなく、心身の健康を意識するライフスタイルの一部として定着しつつあります。

◆ ノンアル市場の拡大

イギリスのパブ文化は、アルコール中心から少しずつ多様化しつつあります。スーパーやバーでは、以下のようなノンアルドリンクの選択肢が驚くほど充実しています:

  • ノンアルコールビール(ラガーからIPAまで豊富)
  • ノンアルジン&トニック
  • フルーツやハーブを使ったクラフトモクテル
  • 甘すぎない炭酸系ソフトドリンク
  • トニックウォーターのアレンジ飲料

だから、パブに行っても「水だけ頼むのは場違いかも…」と心配する必要はまったくありません。

「一緒の空間」にいることが大切

ここで重要なのは、「お酒を飲まない=パブに行かない」ではない、ということ。イギリス人にとってパブは“お酒を飲む場所”であると同時に、“一緒に過ごす場所”なのです。

◆ パブでの振る舞い方(下戸向けガイド)

  1. ノンアルで乾杯しよう
     ジンジャービア、ノンアルビールなどを使って、自然に乾杯に参加。
  2. 自分から話題を提供する
     イギリス人は「無理にテンションを上げる」よりも「自然に楽しく話す」スタイルが好まれます。趣味、最近観た映画、旅行の話など、ちょっとした話題を準備しておくと◎。
  3. 先に帰るのもOK
     無理に深酒タイムまで付き合わなくても大丈夫。途中で「明日早いから」と退席しても、引き留められることはまずありません。

パブ以外でイギリス人と仲良くなる方法

もちろん、パブ以外でも人間関係を築く方法はたくさんあります。

1. 趣味のグループに参加する

イギリスには、ありとあらゆる分野の「Meetup(交流会)」が存在します。

  • ボードゲームナイト
  • 写真散歩会
  • ハイキンググループ
  • コメディショー観賞会
  • ガーデニングクラブ

お酒が出ない、または出ても飲酒が主目的ではない集まりなので、気楽に参加できます。

2. カフェ&ティータイム文化を活用

イギリス人は紅茶が大好き。アフタヌーンティーのような本格的なイベントから、職場のティーブレイクまで、紅茶を囲んだ会話の場が日常的にあります。

気になる相手に「お茶でもどう?」と声をかけるのは、かなり自然な誘い方。コーヒーショップの多さも日本の比ではなく、どの町にも個性あるカフェが点在しています。

3. ボランティア活動

イギリスではチャリティ精神が根付いており、地域密着型のボランティアも活発です。

  • 地域イベントのスタッフ
  • フードバンクの仕分け
  • 動物保護団体での作業
  • こども向け読み聞かせボランティア

こういった活動には共通の価値観を持った人が集まりやすく、打ち解けやすいという利点もあります。

飲みすぎ文化の裏側:「酒好き」と「アル中」の違いに注意

イギリスは“酒を愛する国”でもありますが、それゆえに注意すべき点もあります。それは、アルコール依存との境界線が非常に曖昧だということ

◆ 飲酒習慣の一例

  • 平日でも毎晩1〜2杯のビールが当たり前
  • “パイント”(約568ml)で何杯も飲む文化
  • 週末は昼から深夜まで飲み続ける人も

これは文化と言えばそうですが、度が過ぎれば確実に健康リスクを高めます。

◆ アル中の兆候に注意

  • 「飲まないとやってられない」と言う
  • 記憶が飛ぶ(ブラックアウト)
  • 約束を守れなくなる
  • 感情の起伏が激しい
  • 金銭的・人間関係的なトラブルが多い

「飲みニケーション」は時に有効ですが、相手の状態によっては適度な距離を保つことがとても大切です。

結論:あなたはあなたのままで、イギリスで人とつながれる

イギリスにおいて“お酒を飲まない”ことは、ハンディキャップではありません。むしろ、今や選択肢の一つとして尊重されるライフスタイルです。

大切なのは――

  • 無理に飲まない
  • 相手のスタイルを尊重する
  • 会話と空間を楽しむ
  • 共通の趣味や価値観を大事にする

あなたにしかできない、あなたらしい関わり方が、相手にとっても「特別な出会い」になることがあります。

お酒を飲まなくても、笑い合える関係は築ける。 そして、気づけば「じゃあ、また来週のティーブレイクでね」と笑顔で言ってくれる友人が、イギリスの地にできていることでしょう。

おまけ:イギリスで“下戸”を快適に過ごすための実用Tips

モクテルにこだわるバーやカフェも多数登場中

ノンアルドリンクの美味しいパブを探す(Google Mapで“alcohol-free options”で検索)

最初の乾杯だけドリンクを手に取ると場に溶け込みやすい

“I’m off the booze”や “I’m staying sober tonight”など自然な断り方を覚えておく

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