冬によくある賃貸物件におけるトラブルと対処法

そんなに寒くないはずのロンドンの冬

先週は初雪が降った他に、気温がマイナス7度を記録するなど例年とは違った冬になりそうな予感がします。
12月でも平均最低気温は5~6度で平均最高気温は9度といった感じでした。
詳しくはロンドンを訪れる時季はいつがベスト?をご覧ください。
異常気象が原因なのか、それとも単純にいつもより寒い冬なのかよくわかりませんが、とにかく寒さの厳しい冬になることは間違いありません。
さらに、光熱費の高騰が家計に大きなダメージをもたらすことも忘れてはいけません。
私も光熱費の高騰が気になるのですが、家の中でダウンジャケットを着たりしたくはないので、室温を20~21度ぐらいに下げてセントラルヒーティングを使用しています。
ちなみに去年は25℃ぐらいでガンガン使っていました。
ロンドンは夏そんなに暑くならない代わりに冬はそこまで寒くならないというのが普通でした。

熱波にも、寒波にも対応していないロンドン

ロンドンのインフラや建造物は熱波や寒波が来ることを想定して造られておらず、通常より少しでも気温が高くなったり低くなったりするだけで、自然災害並みの被害が発生します。
今年の夏は、ロンドンでは一番暑い日で38℃を記録しました。
その際、鉄で造られていた橋の欄干部分が変形してしまうという被害がありました。
また、数日前に気温が急激に下がり、スイスコテージで地下にある大きな水道管が破裂し、一時的にスイスコテージ、セントジョーンズウッド、ハムステッドのエリアで大規模な断水となりました。
それだけではなく、破裂したパイプから大量の水があふれて、近くに住む家では床上浸水状態となり、数十世帯が避難する事態まで発展しました。

断水した際の対処法

スイスコテージの水道管破裂は、数千世帯の家やマンションの水が一時的に使えない状態となりました。
水道の蛇口をひねれば水がでるのが当たり前の世界に住んでいる私たちにとって、水が出ないというのは間違いなくパニック状態に陥ります。
しかし、慌ててもしょうがありません。
まず、断水の原因をつきとめることです。
断水が自分の家だけなのか、マンションに住んでいるならお隣さんも同じ状況なのか確認します。
もし、自分の家だけ水が供給されていない場合は、すぐに家主に連絡しましょう。
住んでいるエリア一帯が断水になっている場合は、インターネットで水道会社のホームページにアクセスして最新の断水情報を確認しましょう。
もし、水道管の破裂が原因での断水の場合ですが、復旧までに12~24時間ぐらいかかると言われていますが、長引くこともありますので、スーパーで水のペットボトルを多めに購入して復旧するまで凌ぎましょう。

断水は誰の責任なのか?

賃貸物件に住んでいて陥りがちなのは、すべて家主に責任の追及をしてしまうことです。
水道管が破裂したのは、決して家主の責任ではありません(冷静に考えればわかることだと思いますけど)。
それでも、誰かを責め立てたくなってしまうあなたは、正直心が病んでいるか、相当心の狭いひとかのどちらかと自覚しましょう。
あなたが文句という相手は、家主ではなく水道会社です。
水道会社に電話をかけるなり、メールを送りなりして、いつまでに水が供給されるようになるのか確認することにエネルギーを使いましょう。

暖房、給湯のトラブル

次によくあるトラブルは暖房と急騰のトラブルです。
朝なんとなくいつもより寒いと思ったら、タイマーで毎朝6時につく予定になっていたセントラルヒーティングがついていないといった経験は、誰もがお持ちなのではないでしょうか。
原因はいくつか考えられますが、もっとも多いのはボイラーの圧力の低下です。
ボイラーの圧力とは何ぞや?ですが、下の図を見ていただくとセントラヒーティングの仕組みが何となくわかるかと思います。

簡単に説明しますと、ボイラーから熱いお湯が各ラジエターに送られるのですが、その際パイプとラジエターの中には圧力が存在します。
その圧力がある一定の数値に達していないとボイラーが作動しないようになっています。
ボイラーの圧力が失われる原因の一つとして、パイプやラジエターからの水漏れです。
古いラジエターにありがちなのですが、ラジエターやパイプのつなぎ目から水がポタポタとたれている現象です。
先ほどのボイラーのシステム内は密閉状態となっていなければいけませんが、水漏れがあるということは、圧力が外に逃げ出しているということです。
これを放置しますと、ボイラーのシステム内の圧力が失われてボイラーが止まってしまうのです。

すぐに家主に連絡、その際にガスセーフティ証書は有効かも確認

瞬間湯沸かし器タイプのボイラー(コンビネーションボイラー)をお使いの家庭でボイラーが停止すると暖房だけではなく、お湯も使えない状態となりますので、ラジエターやパイプの水漏れに気づいた際はすぐに家主に連絡しましょう。
家主に連絡する前に、入居の際にガスセーフティ証書というものを不動産会社か家主からもらっていると思いますが、一年ごとの更新が必要になっています。
証書の有効期限が切れてしまっている、証書が手元にないというひとは、すぐに家主か不動産会社に連絡して取りよせるようにしましょう。
ガスセーフティ証書は、法律で定められている家主の義務です。
ちなみにガスセーフティ証書というのは下のイメージのようなものです。

ガスセーフティ証書の更新を怠っている家主ですが、かなり沢山いると言われています。
ガス器具が正常に作動しているか、ガス器具が安に使える状態にあるのか、今一度証書の確認をしましょう。

ガスセーフティの証書ぐらいと侮らないでください

8月8日の月曜日午前7時、ロンドン南部のクロイドンという町で大規模なガス爆発があり家一軒が跡形もなく吹き飛び、焼け跡からその家に住む4歳の少女が遺体で発見されるという悲しい事故がありました。
原因はガス漏れです。
調べたところ、ガスセーフティ証書の有効期限が数年前に失効していたそうです。
事故の10日前にガス会社に連絡して、ガス会社から派遣されたスタッフが現場に来て検査しましたが、いい加減なスタッフで異常が見つからなかったから大丈夫だと言って帰っていたそうです。
でも、この検査をしたひとだけの責任ではありません。
ガスセーフティ証書を毎年更新していれば、もう少し早い段階でガス漏れやガス器具の異常が見つかっており、事故は間違いなく防ぐことができたのです。
皆さんも、ガスセーフティ証書の有効期限を今一度確認して、クロイドンのような悲しい事故に遭遇しないようにしましょう。
自分と自分の家族の命を守るのは、あなた自身です。

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