2021年の不動産市況を読む

不動価格は一度下がり、そのあと急上昇する

不動産マーケットがクラッシュ(下落)するという話はイギリスのEU離脱が浮上した2016年から言われていますが、いまだクラッシュしていません。
それどころか、EU離脱の国民投票があった2016年の6月から2020年の11月までの不動産価格は17%もの値上がりをしています。
理由ですが、住宅の供給不足、住宅ローンの金利が安いなどいろいろ言われていますが、けっきょくのところ家を買う人がいるから価格が上がり続けているのです。
買う人がいなくなれば価格は下がるしかありません。
2021年は誰が不動産を買うのでしょうか。

2020年に買えなかったひとたち、売ってしまったひとたち

今後不動産を買うと思われるひととして考えられるのはコロナウィルスパンデミックにより収入に影響を受けたひとたちでしょう。
どういうことかといいますと、多くのひとがコロナパンデミックにより仕事を失ったり、求職状態になったりして収入が減ってしまいました。
その影響で住宅ローンの審査に通らず購入を断念したひとたちもたくさんいます。
それだけではありません。
持ち家だったひとのなかにも住宅ローンの支払いができずやむを得ず家を売ってしまったひともいます。
パンデミックが終息し経済がもとどおりになったとき、彼らの収入も戻り経済的にも余裕がでてきて再度家探しをして購入するひとや一度失った持ち家を買い戻すと思われます。
イギリスでは今でも家を借りるより買うほうが経済的に賢い選択だと信じているひとが多いのです。

企業が動けばひとも動く

過去30年間でヨーロッパから多くの大手企業がビジネス展開してきました。
それにより多くの優秀な人材がイギリスには移り住んできました。
各会社の幹部クラスのひとたちは賃貸物件に住まず、物件を購入して住んでいます。
また、企業がまとめてロンドン市内に物件を何件か所有し、ロンドンに赴任してくる駐在員にあてがったりしています。
もし、こういった企業がヨーロッパに拠点を移動させるとなった場合に、彼らが所有している多くの不動産も処分されることになるでしょう。
二度とイギリスには戻ってことはないからです。

EU離脱による経済への影響は?

2021年1月1日からイギリスは正式にEUのメンバーではなくなりました。
すでにイギリスとヨーロッパ間での物流においてさまざまな問題が生じています。
ヨーロッパからイギリスへ商品を取り寄せるのに最低20%の関税がかせられるというのも企業にとっては痛い出費となります。
逆に商品をヨーロッパに送ることも今までのように簡単ではなくなってしまいました。
影響がでているのは物流だけではありません。
金融業界でも影響がではじめています。
2021年1月1日よりロンドンの金融センターでヨーロッパの証券取引ができない状態になっています。
3月までに正式なルールが決まるらしいですが、もしロンドンとEUの証券市場が完全に切り離された場合にロンドンの金融業界で働く5万人以上のひとが職を失うと予想されています。
それだけではなく大手の銀行や証券会社はロンドンの支店の縮小、閉鎖し、EU内の主要国(ドイツ、アイルランド、オランダなど)に拠点を移すことになると世界金融の中心地といわれていたロンドンの格がどんどん下がりひとが集まってこなくなります。
これはロンドンにとって大きな損失につながることになります。

新たなイギリスへの移住者

イギリスから去るひとがいれば、新たにやってくるひとたちもいます。
おそらく、香港人、カナダ人、オーストラリア人。
なぜこの3か国からひとがやってくるかといいますと、イギリスがビザを率先して出すと約束したからです。
誰でもビザをもらえるわけではありません。
ある程度の貯蓄をもっているひとという限定です。
その目的はイギリス連邦国のなかでも経済的な豊かな国の香港、カナダ、オーストラリアから富裕層をイギリスに招き入れて経済を潤そうという考えからです。
カナダとオーストラリアはわかりませんが、香港からは2025年までに500万人のひとがイギリスへ移住してくるといわれています。
香港人にとっては中国人になるよりはマシだということで移住してくるひとが今後も増えていくことが予想されます。
おそらく香港、カナダ、オーストラリアからの移住が活発化するのは、コロナパンデミックがおさまりはじめる秋ごろからと思われます。
そうすると不動産を買い求めるひとたちで不動産価格は回復することになるでしょう。
予定通りイギリスにひとがはいってくればのはなしです。

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