「団結」の名のもとに:イギリス四国の複雑な愛憎関係

「グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国」——通称「イギリス」。この国の名は「連合王国(United Kingdom)」であるにもかかわらず、その内部は決して一枚岩ではない。イングランド、スコットランド、ウェールズ …
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パイントとパトリオティズム:イギリス人の“愛国心”とは何か

ロンドンの片隅、白地に赤の十字が風に揺れている。サッカーW杯が始まると、英国中のパブにはイングランドの国旗が掲げられ、昼夜を問わずユニフォームを着た人々で賑わう。誰もが肩を組み、ビールを片手に「イングランド!」と叫ぶ光景 …
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イギリスへ働きに来る人々の今:ブレグジット後の現実と新しい出稼ぎ地図

はじめに:揺れる欧州、比較的安定するイギリス 近年、世界的なインフレ、エネルギー価格の高騰、パンデミック後の景気停滞といった要因が複雑に絡み合い、ヨーロッパ全体の経済は一様に厳しい局面に立たされている。とはいえ、その中で …
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イギリスの幼稚園教育の現場における課題:体罰と資格制度の現実

近年、イギリスの幼稚園(nursery)や保育施設(early years setting)での保育士による子どもへの不適切な対応、特に体罰や心理的虐待が社会的に問題視されるケースが増えている。これは決して頻繁に起こって …
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焼きすぎる国イギリスでも食中毒は起こるのか?——夏に気をつけたい「英国的食中毒事情」

イギリスの料理と聞いて、多くの人が思い浮かべるのは「ロースト」や「グリル」など、長時間高温で火を通す調理法ではないだろうか。実際、ローストビーフやシェパーズパイ、サンデーローストなど、イギリスの伝統的な家庭料理の多くは、 …
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「男が泣いて、なにが悪い?」――増え続ける男性DV被害者たちの現実

かつて「家庭内の暴力」という言葉がニュースに取り上げられるとき、そこに登場するのはほとんどが“女性の被害者”だった。家庭内で殴られ、傷つき、声を潜める女性たち。私たちはそれを「典型的なDVの姿」として刷り込まれてきた。 …
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「黙する優しさ」か「語る誠実」か──イギリス人に問う、本音と遠慮のあわい

序章:静けさの向こうに ある秋の午後、ロンドン北部のカフェで紅茶をすする老婦人が、何かを言いかけて口をつぐんだ。そのわずかな躊躇に、この国の美徳が宿っているように思えた。あえて言わないという優しさ。傷つけないための沈黙。 …
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太陽に「Thank you」を言った日——イギリスで知った光への感謝

イギリスに暮らして初めて心から「Thank you」と言った相手は、スーパーのレジ係でも、通りすがりの親切な人でもなかった。誰でもなく、あの日空に姿を現した“太陽”だった。——そんな日があることを、かつての私は想像もして …
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イギリスの家族とは――変わりゆく「普通」と兄弟姉妹のかたち

家族とは、どの国においても個人の人生に深く関わる存在です。時代が変わっても「家族」という言葉が与える安心感や、家族の中で築かれる絆の強さは、文化や地域を越えて共通するものがあるでしょう。 しかし、その「家族のかたち」は国 …
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「ライフイズショートズム」──イギリス人が体現する刹那的快楽の哲学と、日本人が学ぶべきこと

「スダッグデュー(Stag Do)」「ヘンパーティー(Hen Party)」──これらの言葉を聞いて、即座にイギリスの結婚前パーティー文化を連想できる人はそう多くはないだろう。しかし一度でもロンドンの週末や、リバプール、 …
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