今後どうなっていく英国経済

リズ・トラスの減税政策を発表した日に英国のポンドが下落、英国メディアはリズ・トラスの政策を酷評して彼女を辞任にまで追い込んだが、トラスの政策はあながち間違ってはいなかったのではないかと思っています。
減税をすれば、人々の収入が一時的に増えるわけで、その分の浮いたお金を上がり続ける電気代、ガス代に回すことや、これからやってくるクリスマスに使うこともできるようになるからです。
そもそも英国のインフレは需要の過熱が原因で起きたわけではなく、英国のEU離脱で安価な労働力を失い始めたところに、ウクライナ戦争が重なり供給コストが高くなったことに原因があります。
さらに、英国に以前は安価で入ってきたもの(特に野菜、果物など)が入ってこなくなり、供給が減少してしまったこともあります。
インフレ=人々がどんどん物を買い続けていると考えるのが普通ではありますが、今回の英国のインフレは先に物価が上がりはじめ、それを消費者が追いかける形となり、インフレが加速されたものと思われます。
以前、最近英国で起きたクライシス(危機)のなかで、長距離大型トラックの運転手が英国から消えて物流が止まってしまったというお話を紹介しましたが、あれはちょうど英国がEUを離脱した直後に起きたことです。
何が起きたかと言いますと、東欧から出稼ぎに来ていた長距離トラックの運転手が英国から自国へ引き上げてしまい、英国人運転手がその職について賃金を引き上げてしまったのです。
東欧の労働者は出稼ぎという感覚で英国に働きに来ていたため、住む場所もそんなにこだわらず、週末も関係なく安い賃金で働いてくれるので、商品を安く提供することができました。
しかし、英国人は無駄にプライドが高く、週末に働くことを嫌い、そのくせ権利だけは主張するという雇用主にとってはとにかく使いづらいうえにコストばかりかかる怠け者です。
英国の政治家がしたことは、地方に住んでいる学歴のない人たちに東欧の労働力が英国から消えれは明るい未来がやってくると洗脳して、英国のEU離脱に投票させたのです。
結果、安い労働力を排除することに成功はしましたが、地方に住んでいる人の生活はよくなるどころかさらに悪くなったことは言うまでもありません。
「EU離脱後によって生活がよくなりましたか?」というアンケートの結果によると、実に6割のひとが何も改善されていないどころか、逆に状況は悪くなったと感じていると回答しています。

国のリーダーが短期間で変わり、国民は狼狽するばかり

新しい首相に任命されたというか、他の候補者が脱落して誰もいなくなったため消去法で決まったリシ・スナーク首相ですが、なんと初の有色人種の英国首相の誕生となりました。
人種差別主義者が多いと言われている英国ですが、今回のスナーク首相をあまり歓迎していないひともいることは言うまでもありません。
でも、国民のいちばんの関心は自分たちの生活がこれからよくなっていくのかどうかということです。
そんなスナーク首相ですが、トラスがやったまったく真逆の減税ではなく、増税をすると言い出しました。
インフレ対策が彼の優先事項なのでしょう。
果たして、彼の増税政策は吉と出るのか凶と出るのか。
私見ではありまますが、今ここで増税すると国民の消費意欲が低くなるだけで、インフレの抑制に直接影響しないのではないかと思っています。
前に言いましたように、物価の高騰はEU離脱とウクライナ戦争が関係しているので、安い労働力の輸入と安い商品の輸入をするということをしない限り物価の上昇は抑制できません。
つまり、増税は消費を冷え込ませ企業の収益を下げることとなり、経済がさらに落ち込むことになるのではと懸念しております。
あくまで私見ですので悪しからず。

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